先天性甲状腺機能低下症(クレチン症)は、喉(のど)の部分にある甲状腺という器官で、生まれつき甲状腺ホルモンを作る働きが悪い病気のことをいいます。
このサイトは患者さんやご家族の方が、クレチン症に関する正しい知識を得ることによって、より健やかな生活を送っていただきたいと願い作られたものです。
半年ほど関わっていたプロジェクトで、本日オープンです。
» ~先天性甲状腺機能低下症(クレチン症)の患者さんとご家族のための情報サイト~こども健康倶楽部
AJAXもフォークソノミーもAPIもRSSもなし。でも、医療監修の原田先生や、ディレクションされたエア インフィニティー株式会社岡本さんの要望に答え、エンジニアではない、普段からネットを頻繁に使っていないかもしれない一般のユーザーに、どうやったらストレスなく使っていただけるかを考え、持っている技術・知識を総動員して開発したつもりです。
それというのも、チームの皆さん全員から感じられる、「よいものを作りたい」という強い思いに触発されたからだと思います。原田先生はすでにクレチン症等に関するWebサイトを個人サイトで立ち上げられているので、ユーザーがどんなサービスを欲しいと思っているかを理解されており、それを岡本さんが組みとって具体的な機能に落とし込むとともに、ユーザーの立場に立った要望にしていただきました。two-moons 吉岡さんのデザインは、難しい病気に関する解説をわかりやすく伝える効果を発揮し、誰もが使いやすいユーザーインターフェースを実現していると思いますし、プログラマーとしてもフリーランスとしても大先輩にあたるEY-Officeの吉田さんには、的確なアドバイスをいただきました。
技術的な話をちょこっとしますと、最初、このサイトはGeeklogをカスタマイズして仕上げるつもりでしたが、きめ細かい要望に即座に応えたいという思いから、途中から Ruby on Rails でスクラッチから作り直しました。開発期間はそれなりにかかってしまいましたが、今後の機能追加やカスタマイズははるかにやりやすくなったと思いますし、なにより楽しく開発することができ、結果的に正解だったなと感じております。
話変わり、僕は四年間サンフランシスコベイエリアでの生活を経験したのですが、住み始めた当初「ジャパンネット」というアメリカに住む日本人のためのコミュニティサイトを使っていました。そこでは、どこそこのレストランがおいしいといった日本人のためのグルメ情報が手に入ったり、アメリカ生活でわからないことを気軽に投稿でき相談できる掲示板があったりして、とても重宝しました。ベイエリア在住の日本人なら、誰もがお世話になっていたんじゃないかというほどのサービスでした。
そのときの経験がウェブのサービスを作りたいという僕の原点です。そういう、特定の興味をもった人を地理的な制限を超えてつなぎ、コミュニティを作り出し、あるときは不安を取り除きながら、生活を豊かにすることができるサービスを作りたい。
クレチン症の患者さんとご家族がサイトから正しい知識を得、またサイトを通してコミュニティを築けて、ちょっとでもその生活を豊かにできる、そんなサイトに「こども健康倶楽部」がなってくれることを願っています。
2008/01/19 12:35:59