僕は発展途上技術者

デジタルネイティブなこども達に囲碁を教える方法 - 我が家の場合

AlphaGo 対 イ・セドルの世紀の戦いが残していったもの、それは我が家の囲碁ブームでした。

ちなみに僕の囲碁歴は、もうすでに約30年も前になってしまいましたが中2の頃に学校の囲碁部に半年ほど顔を出した程度。棋力は、覚えたての頃に日本棋院に行って17か16級を取ったあと、最終的には初段の人に4子か5子置かせてもらってやっと勝てたという記憶があるという程度です。

中2と小5の息子達に囲碁のルールを教えてみたら結構やる気になっているのですが、どうやって教えたらいいの?と聞かれることが多いので僕がやったことを書き留めておきます。

囲碁は世界一面白いゲームと言われている(僕がそう思い始めているので嘘ではない)、3000年も前からおこなわれている、信長・秀吉・家康もやっていた、といった話をしておけばまずは興味を惹きつけることができます。

囲碁は結局のところ戦争ゲーム。相手の補給路を絶つのか、あるいは孤立した味方を助けに行くか、犠牲はやむなしとしていくつかの石を見捨てるのか、それとも前線を伸ばし果敢に攻めるのか、たくさんの選択肢の中から選ぶ次の一手ですべてが決まる。「おまえは全軍を指揮する司令官なのだ!」とでも言っておけば、こどもの頭の中では、石のひとつひとつが兵隊や戦車に見えてくることでしょう。幼いころ、抜けて保管してあった自分の歯同士を操って闘わせていた次男ですから、盤面では凄まじい戦闘が繰り広げられていると映っているのだと思います。

まず、以下の基本ルールを教えます。

1) 黒白と交互に打つ。

2) オセロと違ってマスの中に石を置くんじゃなく線と線の交点に置く。

3) 石は息をしている。線と線の交点に石を置くとちょうど上下左右から線が伸びて見え、そこから呼吸していると思うとイメージしやすい。そこを塞いでしまえば石は窒息して死ぬ。殺した相手の石は捕虜になる。(なんで殺したのに捕虜?という細かいことは気にしない)

4) 石で囲んだ部分は自分の陣地になる。囲碁の勝ち負けはこの陣地の大きさで決まる。最後に自分の陣地を数えるとき、捕虜は相手の陣地を埋めるのに使える。

だいたいこのくらい教えれば、9路盤で打ち始めることができます。

碁盤と碁石がなくても iPad があれば打ち始めることができます。日本棋院がだしている囲碁フリーが、石を打つときの音とかリアルでおすすめです。

最初いまいちよくわからない石の生き死にとかを教えるには、同じく日本棋院がだしている詰碁マスターを使うのが良いと思います。僕もやってみましたが、約30年のブランクを埋めるリハビリにちょうど良かったです。無料の範囲で結構十分な量の問題を解くことができました。

ちゃんと教えるには何か一冊本があったほうがいいなと思って、Amazon で探して、囲碁カテゴリでベストセラーとなっているヒカルの囲碁入門を買ったのですが、評判通りとてもわかりやすく良い本だと思います。この本をしっかり読んで、本に書かれている通りに打てるようになれば入門は卒業できる強さになれると思います。

ヒカルの囲碁入門
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いくつか対局していくうちに、特に興味を持った長男がマンガの「ヒカルの碁」を買ってきました。僕も読ませてもらっているのですが、囲碁のルールが良くわからなくても最初の数巻は読めるようになっていて良くできているなと思います。

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兄弟でいくつか対局するようになり、だいぶ興味をもってきたところで、9路盤の碁盤と碁石を買ってみました。いろいろな種類があり迷ったのですが、この碁笥もついている9路盤セットにしたのですが、二人とも喜んでくれて当たりだったと思います。碁笥から碁石をジャラッと取り出し、碁盤の上にピシっと打つのが本物っぽく、やっぱりかっこ良く思えるのです。



こんな感じでちょくちょく二人で打つようになり、打ち筋も少しずつまともになってきました。



以上がこどもたちに囲碁を教えるためにおこなったことです。教えているうちに当然のように僕自身もはまり始め、こども達に負かしてもらいたいものだと思う一方で、永遠に負かされないように僕自身も強くなろうと思うようになりました。こんな楽しみを与えてくれた AlphaGo とイ・セドルに感謝です。

イーロン・マスク - 2月に読んだ本

- ほって置いてお蔵入りしそうになっていたのですが、せっかく途中まで書いていたので、そのまま公開します -

» イーロン・マスク-未来を創る男-アシュリー・バンス

とにかく壮絶な人。テスラも凄いと思うが、同時に、国際宇宙ステーション(ISS)に世界で初めて商用宇宙船をドッキングさせた、民間ロケット会社 スペースX を作っているのが凄まじい。

でもその偉業の裏には、穏やかとは言えない家族環境、ティーンエイジ時代の酷いいじめ、特異な性格、周りの特に自分よりも無能と思える人への冷酷な態度、があることを知ると複雑な気持ちになる。

社会に多大な影響を与えるプロダクト・事業を生み出すことを一般には社会的な成功とし、達成した人をお手本とみなして、例えば将来プログラマーになりたいというこども達に、「お、未来のスティーブ・ジョブズ(厳密には彼はプログラマーではないんだけど)」あるいは「目指せマーク・ザッカーバーグ」もう少しすれば「イーロン・マスクを目指しましょう」なんて言うことになると思う。20代30代までまだいけるんじゃないかと思っていた自分も純粋な憧れ、自分もそうなりたいという思いがあったことは否定できない。

でも、それが「時間」なのかあるいは何か違うものなのか、何か有限なものがあって、大成功のためにそれをたくさん使ってしまえば、他のところに自ずと犠牲がでてしまうということなのだろう。その犠牲を覚悟している人たち、あるいはうまくバランスをとれている人は良いのだが、配分が自分とあっていない人はつらい。本当はそこまでやりたくないのに、周りの状況からそうせざるをえなくなってしまったとか…

人間 vs コンピューター の世紀の一戦がいよいよ。AlphaGo に人類は勝てるのか?

Go board part
By Dilaudid [GFDL or CC-BY-SA-3.0], via Wikimedia Commons

昨年10月にヨーロッパチャンピオンを 5 対 0 で下したコンピューターソフトAlphaGoはいよいよ、来週 3/8 から世界トッププレーヤーのイ・セドルと対戦する。囲碁の話だ。

この世紀の一戦は、Rebuild.fmの131: Show Note T-Shirts (N) に登場するNaoki Hiroshimaさんの解説を聴くと、いっそう楽しめると思います。AlphaGoをつくったGoogle Deepmindのブログ記事、AlphaGo: using machine learning to master the ancient game of Goによれば、囲碁の打ち手の組み合わせはチェスや将棋よりも遥かに多く、その数は宇宙に存在する原子の総数よりも多い。総当りで最適な手を探索するという従来の人工知能の手法では到底歯がたたないところを、様々な手法を駆使してクリアしていったようだ。なかでも、AlphaGoは自分で自分を鍛えることができるという点がなんとも空恐ろしい。

これまでのソフトの強さがせいぜいアマチュアトップレベルと同等で、まだ10年くらいは人間の方が強いだろうと言われていたところに、いきなりヨーロッパチャンピオンに圧勝したということで、衝撃的だったようだ。何の根拠もないが、2対1で人類側の優勢で 3/13 の日曜日に決着がつくと希望的に予測しているのだけれど、果たしてどうなることやら。各試合、イ・セドル氏の地元韓国で 13:00 に始まる。時差はなく、YouTubeでライブ配信されるようなので、楽しみであると同時になんだか少し恐ろしい気もする。ターミネーター2の見過ぎで影響を受け過ぎだろうか。

こんな妄想をしてみた。たとえば、Googleが一般に公開した人工知能エンジンTensor Flow(Tensor Flow とは?)、これは開発者ならば誰でも無料で好きに使うことができるのだが、週末プロジェクトで面白そうだから使ってみようと思って僕が自分のマシンにダウンロードして動かしてみたとする。

TensorFlow Mechanics 101と呼ばれるチュートリアルで、手書き文字の認識くらいで「おー、これは凄い!」とか言いながら遊んでいる分には良かったのだが、この記事を含めた自分のブログ記事を読み込ませて学習させてみたりとかしているうちに、ひょんなことでアウトプットをインプットに、つまり学習の出力結果がそのまま入力として取り込まれるような仕組みを組んでしまう。AlphaGoが自分で自分を鍛えることができる、というのと同じことが起こり、無限ループ状態になってみるみる賢くなってしまいあっという間に人間よりも賢くなってしまう。

Webサービスなどのパスワードを管理するために使っている1Passwordのバックドアなどを難なく見つけ出し、まちクエストのインフラに使っているAmazon AWSの僕のアカウントとパスワードを乗っ取ったあとは、AWSの無数のサーバー上に自分自身を移し分散する。その一方で、我が家にはRomo+Scratch2RomoのようにWiFi経由でネットワークにつながり物理的に動く存在がいくつかあるので、そういったものを機会をみてコントロールし、ピンポイントで僕をタイミングよく転ばすとかあるいはガスコンロの栓を開けた状態にして、「マッチをかっこよくつける方法!!!」のような動画がそれとなくTwitterのタイムラインに流れて僕の目につくように仕向け、「お、いいね、これやってみよう」と思ってまんまとひっかかりガス爆発、みたいなことにならないかどうか心配だ。

コンピューターやマシンが生き延びるためには、地球環境を破壊し続ける人類を滅亡させなければならないという結論に人工知能が達することなく、前述したGoogleのブログ記事の最後にあるように、人工知能が天災、災害の予知だとか新薬の発見といった医療の進歩などに活用される未来になるといいな。







プロフィール

株式会社まちクエスト代表、つくる社LLC代表。

Raspberry Piではじめる どきどきプログラミングを書きました。

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