僕は発展途上技術者

Apple イベントで紹介された、バスケットボールのシュートを自動でトラッキングしてくれるアプリ Homecourt (ホームコート)に衝撃を受けた

先日の Apple イベントでは、iPhone XS や Apple Watch Series 4 の発表がおこなわれました。今回は上位機種へのアップグレードということで小さな進化という印象でしたが、これとは別に特に興味をひいたのは、iPhone XS のカメラの性能をデモするために紹介された Homecourt というアプリでした。

» Homecourt

このアプリ、バスケットボールのシュートを全自動でトラッキングしてくれて、シュートした各位置やその位置ごとの成功率を表示してくれるというもので、すでに公開されており App Store からダウンロードできます。カメラの性能がより良い XS で使うのが良いのかもしれませんが、iPhone X でも使うことができ、近所の公園で試したところ、あまりの素晴らしさにかなりの衝撃を受けたので、その様子を紹介しようと思います。

シュートのトラッキングを行うには、バスケットゴールとシュートを打つ人、そしてコート上ならば3ポイントシュートのラインが全部映る場所に iPhone のカメラを設置する必要があります。理想的には、ゴールの真ん前が良いようですが、試したのは近所の公園で他に遊んでいる人もいるので、僕は、ゴールのななめ前方、コートの外側に三脚を立てて、iPhone を三脚に取り付け立てました。

続いて、アプリ下側のタブバーから、Record を選び、Workout を選択します。

すると、ゴールとボードを含め、四角の枠の中に収めてくれ、という画面が出てくるので、指示通りカメラの向きを調整します。

次に、バスケットボールのコート上でなら、3ポイントシュートやフリースロー用のラインを検知するのかもしれませんが、公園のゴール前にはラインが引かれていなかったので、画面上に表示される仮想的な3ポイントシュートやフリースロー用のラインを指でドラッグし傾きや位置を適当に調整します。

事前の設定に必要なのはこれだけ。三脚さえあれば、iPhone の他には何の機器も必要ありません。

あとは存分にシュート練習をすれば良いだけです。

どこからシュートを打ったか、そしてもちろんゴールしたかどうかを自動でトラッキングしてくれて、シュート成功率などの分析結果をこのような形で表示してくれます。

こちらが詳細な分析結果です。

圧巻なのは、全シュートを自動的にシュート毎に区切ってくれて表示してくれる Shot-by-Shot の画面。

ゴールしたかどうかの結果(赤色のMakeがゴール、青色のMissがミス)とともにシュートごとのシーンを後から再生することができます。ちなみに、筆者はバスケットボールは全くの初心者です。おかしなフォームだとは思いますがご容赦ください。

2本目のショットはゴールをかすめており、パッと見「あれ入ったんじゃ?」と見間違えそうなのですが、ちゃんと機械学習による判定は Miss と判定しており、なかなかの精度だと思います。(これはカメラの性能によるのかもしれません)

Shot-by-Shot の画面では、スローモーションにできたり、プレーヤーにズームしてフォームをチェックできたりと、反省とこれからの改善に役立てることができるんじゃないかと思いました。

他にも今日のハイライトということで、連続してポイントできたシーンなどを自動的に切り取って表示してくれたりします。

さらに面白いのは、タブメニューから Feed を選ぶと、他の上手なプレーヤーの練習の様子も閲覧することができるところです。

こちら3ポイントシュートがかなりの確率で入っているおかたです。

Shot-by-Shot 画面で各シュートの様子も見ることができるので、上手な選手のフォームをチェックして参考にすることもできるのだと思います。

他にも Teams という機能では、仲間と一緒にチームを作ることができ、各々撮影した練習風景をチェックしたり、分析結果を共有して切磋琢磨することができるようです。

毎月300ショットまでは無料で利用でき、それ以上無制限で使いたければ月額の料金が発生するようです。(2018/9/18時点では月額880円)

バスケットボール超初心者の僕でもかなりワクワクするアプリなので、バスケットボールをやっている方にはとてもおすすめなんじゃないかと思いました。

» ‎HomeCourt - The Basketball App on the App Store

学習するデータが増えていけば精度はどんどん上がっていくのかもしれませんし、そのうちフォームなども、ここの部分をもう少し上げていい、といったように自動でアドバイスしてくれるようになるのかもしれません。

機械学習をとても上手く活用しているお手本のようなアプリだと思います。スポーツと機械学習はとても相性が良さそうで、大きな可能性を感じました。

学生時代にアーチェリーをやっていたのですが、当時、矢が当たった場所は自分でスコアカードに手書きで記録していました。そうした記録もこのようにカメラと機械学習をうまく活用すれば、自動で記録できるようになるのかもしれません。(作ってみたい :) )

機械学習を使ってどのようにコート、ゴール、プレイヤーを認識しているかなどの少し詳しい技術的な側面や、このアプリを開発した動機などを紹介している TED の動画があったので最後に紹介しておきます。

サイモン シン・エツァート エルンスト「代替医療解剖」

お金と健康は人生においてかなり大切な2つの要素だと思うのですが、その2つに関して誤った選択・判断をしないためにもこの本は必読だと思います。

代替医療解剖 (新潮文庫)
サイモン シン エツァート エルンスト
新潮社 (2013-08-28)
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エセ科学を徹底的に批判する「カール・セーガン 科学と悪霊を語る」とあわせて、これからまだ長い人生を送る若い人には特に、あるいはお子さんがいる方にもぜひ読んでおいて欲しい。

僕はノストラダムスの予言を高校生くらいまで信じていたし、昔の嘘だらけのテレビで流れていたネッシーや雪男、UFO、宇宙人をなかば信じていたけれど、今はオカルト、占い、血液型といった類のものは一切受け付けないし、無宗教という立場だ。では、何を信じているかと問われれば、「科学」と答える。

そんな僕でも、昨年はじめに首を痛めて、それがなかなか良くならないので、いろいろなことを試してみたのだが、その中で何の抵抗もなし鍼を試してみたのだ。じっさい、鍼をやってもらったあと、何となく良くなった気分になったのだが、本書ではそれ(鍼)がまったく科学的には効き目がなく、プラセボ効果(簡単に言ってしまうと気のせいで良くなる効果)しか期待できないことを暴いている。

詳しくはぜひ、本書を読んでもらいたいのだが、忙しくて読めないよ、という人のために、本書に書かれている知っておいた方が良いことをここに書き留めておく。

  • 瀉血という血を抜く行為が、病気に効くと信じられていて、近代までずっと行われていた。このように一昔前までの医療行為のほとんどは科学的に間違ったものであった。
  • ではなぜ、昔の医者という職業が成り立っていたかという、お医者さんの格好をして(白衣を着るなどほかの人と違う格好をする)これこれこういう治療法があなたには効きますよ、と言われて科学的には何の効果もない行為をおこなってもらったり、あるいは効果のない薬を飲むだけでも、プラセボ効果、つまり気のせいだけで悪いところが回復したり、痛みがうすれる効果が実は人体にあって、その効果が意外とあるからだった。
  • 現代になってようやく科学的な方法で医療行為が効果があるか、あるいは薬が効果があるかがわかるようになった。その科学的方法の代表例が臨床試験であり、薬とニセ薬をAとB2つのグループに与え、有意な差がでれば、その薬は効果があったということ、そうでなければ効果がないと判定できるようになった。このときプラセボ効果を排除するため、患者の方は自分が本物か偽物のどちらをもらっているのかわからないようにしなければいけないし、薬あるいは治療行為を与える方の医者も自分が本物を与えているのかそうでないのかがわからないようにしなければ正確に判定はできない。
  • 鍼は、患者も行為者も自分が本物か偽物のどちらのグループなのかをわからないようにすることが難しかったため、かなり最近までプラセボ効果を排除した臨床試験が難しかったが、技術的に偽鍼(うってるように見せかけて実は刺さらない鍼)を作れるようになってきて近年正確に効果を測れるようになってきており、その結果どうやらプラセボ効果しかないようだ。
  • 本書は、このように丁寧に臨床試験の結果などを比較したり、科学的な検証をおこなっており、その結果、鍼、ホメオパシー(なぜこんなものが欧米では信じられているか謎なくらいトンデモな代替医療だが)、カイロプラクティック、そしてほとんどのハーブに科学的な効果がないことを暴いている。
  • カイロプラクティックまでも批判されているのは驚きではあるが、腰痛に限っては効果はあるのだが、その効果は通常医療と同程度であり、通常医療のほうが安価であるし、また危険性で言えば、通常医療のほうが安全であるということを知っておく必要がある。
  • プラセボ効果があるのなら、鍼などの代替医療でも構わないじゃないかという考えもあるかもしれないのだが、それよりも効果がある通常医療があるにも関わらず、通常はそれよりも高価で、リスクもある代替医療を選ぶという選択は問題であるし、何よりも、それよりも効果のある通常医療があるにもかかわらずそれを排除して代替医療を選んでしまうというのは大問題と断じている。代替医療を信じるあまり、科学的に効果があるワクチンを打つことをこどもに認めない親がこれにあたる。

カイロプラクティックも鍼も何の疑いもなく行っていたのが個人的にはショック。「臨床試験」をキーワードにして、これからは賢明に判断していきたい。

日替わりでドットコムを紹介しつづけた『100SHIKI』が更新終了

なんと、百式が更新終了だそうだ。

これまで毎日更新してきましたが、本日、2018年8月31日をもって更新終了としたいと思います。突然ですが。いままで読んでいただいた皆様、ありがとうございました。

» 2000年から日替わりでドットコムを紹介しつづけた『100SHIKI』

アメリカで働いていた頃は、オフィスに来たらまず百式と asahi.com を読むのが日課でした。日本語の情報に飢えていたのとドットコムやネット界隈、スタートアップという世界への憧れがあったからでした。

そんなある日、百式管理人がサンフランシスコに来る予定で、管理人の独り言コーナーに「近くの方、ぜひご一報を」と書かれていたので、メールをしたのでした。

» ド派手な演出 (Tail Viper.com)

快く会ってくださり、さらにその翌日だったかサンフランシスコにいる起業家の人たちとの飲み会があるので一緒に参加する?と誘ってくれたのでした。

そこで今はメルカリの会長になった山田進太郎さんに出会い、日本に帰国後に、進太郎さんが起こしたウノウに転職することになったのでした。

フリーランスになってからは、開発合宿に呼んでもらったり、「ひとりで作るネットサービス」探訪ではインタビューしていただいたりとずっとお世話になっています。「ドットインストール」では、いまはなくなってしまいましたが添削のサービスのお手伝いをしたり、息子もその添削のサービスを体験させてもらったり。

百式がなかったら、今の僕はなかったと思います。大げさでなく、僕のなかでひとつの時代が終った感があって少しさびしいですが、今後のさらなるご活躍を楽しみにしています。

Maker Faire Singapore で ML2Scratch を出展してきました(Maker Faire編)

» Maker Faire Singapore で ML2Scratch を出展してきました(観光編)

からの続きとなります。

Maker Faire Singapore は Our Tampines Hub という多目的スタジアムもある公共施設で開催されました。

Maker のタグとバッジ。

機械学習で画像を認識し、認識結果をScratch(厳密にはScratchX)に送ることで、簡単に機械学習をつかったアプリケーションをつくることができる ML2Scratch で出展しました。ペットボトルのキャップをテーブル上で動かすことで、Scratch 上のネコを操作したり、あるいは MiP という倒立ロボットを操作できるデモを展示しました。

Yu Ishihara に UI をデザインしてもらい、一気にわかりやすく親しみやすくなった ML2Scratch。

日本からの出展は僕の他は、夫婦で First Four Notes という会社をやられている由谷さん、渋谷さん。機械学習で振動のパターンを学習して、アクリル板を叩くと、叩いた場所によって違う音を鳴らして、楽器にできるという展示で注目を集めていました。

金土日と開催された Maker Faire Singapore の一日目は School Day ということで学校関係者だけが出展、参加していたりと、Maker Faire Hong Kong 同様、学生や学校関係者が多く参加していました。

日本語を勉強中ということで、何度もブースに訪れてきては日本のことについていろいろ聞いてきた学生さんと仲良くなりました。

彼らのプロジェクト。ゴミを回収したり、ろ過することで池の水をきれいにするロボットだそうです。環境問題に関連したプロジェクトが多く、水の問題、空気の汚染の問題は狭い国土を持つシンガポールの切実な問題のようです。

Maker Faire Singapore は Maker Faire Hong Kong と同じくらいの規模、東工大あるいは未来館でやってた数年前の Maker Faire Tokyo くらいな感じでした。

ML2Scratch の説明をちゃんと理解しながら聞いてくれて、賢そうな人だなあと思ったら Mayor of the North East District of Singapore(シンガポール北東地区の知事)Desmond Choo さんという方でした。若い…

シンガポールもSTEAM教育に対する関心は高く、機械学習というバズワードの効果もあって ML2Scratch を面白いと思ってくれる方は多かったです。「Scratchで楽しく学ぶ アート&サイエンス」も合わせて展示していたのですが、リップサービスもあるのかもしれませんが、英語版はないのか?あるいは出ないのか?と繰り返し何人の人から聞かれました。

Scratchで楽しく学ぶ アート&サイエンス
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あと、シンガポールでも Scratch2MiP で動かせる倒立二輪ロボットの WowWee MiP はこども達に対して安定の人気でした。

トイザらス WowWee ミートミップ 白
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今回参加できたのは、Maker Faire Hong Kong のときにブースを訪れてくれて、「これ Maker Singapore でやったらウケると思うから出ませんか?」と誘ってくださったスイッチサイエンスの高須さんのおかげです。ブーススペースの確保など色々とアテンドしてくださって感謝いたします。

各国の Maker と仲良くなれるし、訪れた国のことを知ることができるしで、各国 Maker Faire めぐりは楽しいです。今後開催される各国の Maker Faire はこちらで確認することができます。次は、Maker Faire Taipei に参加したい。

» Maker Faire Singapore で ML2Scratch を出展してきました(観光編)

» Maker Faire Singapore で ML2Scratch を出展してきました(Maker Faire編)

Maker Faire Singapore で ML2Scratch を出展してきました(観光編)

» Maker Faire Singapore で ML2Scratch を出展してきました(観光編)

» Maker Faire Singapore で ML2Scratch を出展してきました(Maker Faire編)

Maker Faire Hong Kong に引き続き、Maker Faire Singapore で ML2Scratch を出展してきました。

香港に行ったときに時差が少なくてとても快適だなあと感じたので、しばらくこの時差1〜2時間以内の範囲で行動しようと思い立ち、アジアやオセアニア地域の Maker Faire を制覇していこうと思ったのです。

金土日は Maker Faire で、それより数日前に家族と現地入りして、シンガポールの観光三昧でした。

地震がなく、お金をふんだんにかけることができるからか、ユニークな形のビルが乱立しています。

定番の観光コースということで、ガーデン・バイ・ザ・ベイ。

巨大なガラスのドームの中、人工の滝が流れるクラウド・フォレスト。「天空の城ラピュタ」などのジブリのアニメの世界を連想しました。

こちらは、人工の木「スーパーツリー」。「アバター」の世界のようです。

定番中の定番、マーライオン。

シンガポールは華僑の人達の国というイメージがあったのですが、街を行き交う人達の人種は様々。中国系だけでなくイスラム系、インド系、そしてまれに欧米の人たちもいて、アメリカのような他民族の国なんだなという印象を受けました。

アラブ・ストリートを歩き、巨大なモスク、サルタン・モスクを訪問。残念ながら行ったその日は閉館していて中身は見られなかったのですが、まわりはアラブの雰囲気で、ゼルダの伝説のゲルドの街を連想しました。

どこも整然としており、ガムの国内持ち込み禁止、地下鉄の飲食、ポイ捨ては厳禁(違反すると罰金を取られるらしい)ということから予想はしていましたが、トイレを始めどこも清潔で、いままで訪れた国の中では断トツで綺麗でした。

国全体がディズニーランドのようなテーマパークというか、映画、小説や漫画、ゲームに登場する未来都市のようでした。アジアの雑然とした感じが少し覗いているところもあるのですが、それを人工的に統制、管理している感じでした。

約1週間の滞在中、そういえば一度も警官らしき人を見ることがなく、治安が悪そうな雰囲気をいっさい感じることがなかったのも印象的でした。防犯カメラはいたるところにありましたが。。

シンガポールの人たちも全体的にとても親切で、国全体は清潔で、治安も良いと全く嫌な思いをすることのない完璧な家族旅行でした。

シンガポールの国の成り立ちに興味を持ち、帰りの飛行機と帰国してから、物語 シンガポールの歴史 (中公新書)という本を読んでみて、その種明かしをされたようでした。

アジア各地域から移民が集まる小さな国を、アジア屈指の経済大国に成長させた裏には、リー・クアン・ユーという強烈な個性を持ったリーダーを持つ国民行動党という独裁政権が隅々までデザイン・管理していたのだというカラクリを知って、何だか複雑な気分になりました。

言論の自由がない、超エリートに管理・統制された社会、独裁政権、とこれらのキーワードだけを見ると、どんなディストピアだと思ってしまうのですが、実際にこの目で、治安が良く清潔で整然とした街並みを見て、体験してしまうと、それも悪くないんじゃないかと思ってしまうのです。実際、今後僕の中での好きな国の一つに挙げることになると思いますし、住むのも悪くない、またもう一度行ってみたいと思っています。

シンガポールにこれから行く人にはぜひおすすめなのですが、これを読んでから行くとネタバレになってしまいそうなので、僕のようにシンガポールに行ってから読むのがもしかしたらいいのかもしれません。

Maker Faire Singapore で ML2Scratch を出展してきました(Maker Faire編) に続きます。

物語 シンガポールの歴史 (中公新書)
岩崎 育夫
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MakerFaire Tokyo 2018 で出展した「子どもプログラミング喫茶」振り返り

MakerFaire Tokyo 2018で、昨年に引き続きOtOMO の一員として「子どもプログラミング喫茶」の出展に協力してきたので振り返ります。

子ども向けのプログラミング体験メニューを喫茶店のようにご注文いただきご体験いただけます(各体験15-20分程度)。Scratchを中心にフィジカルコンピューティングやロボットプログラミングにもチャレンジできます。

http://makezine.jp/event/makers2018/m0148/ より

昨年の振り返りはこちら↓

MakerFaire Tokyo 2017 で出展した「子どもプログラミング喫茶」振り返り

Keep (今後も続けていきたいこと)

  • 東京学芸大学附属国際中等教育学校 It is IT のメンバー始め、さまざまな方々の協力があって、メニューを提供する(プログラミングを教える側の)メンバーが今年はたくさんそろっており、昨年よりも増えた10あるテーブルで体験メニューを提供できるようになっていました。シフトを組んで余裕ある運営ができていたと思います。(とはいえ、それなりにきついのですが…)若いメンバーたちは、自分から考えて良く動いてくれていて、体力的にきつくなってきた年長者たちはだいぶ助かっていました :)
  • メンバーも増えたが、提供できるメニューも増えていて、micro:bit や IchigoJam、フィジカルに動かせる mBot などバラエティに富んだ体験を提供できていたと思います。
  • 例年、僕はマイクラ + Scratchのメニューを提供していたのですが、今年は、Scratch2MCPI に関する電子書籍 「Minecraft で学ぶ Scratch プログラミング」 を書かれた永岡さんに参加してもらい、マイクラ + Scratch のメニューはおまかせしていたので、機械学習とScratchをつなげた ML2Scratch のメニューや、見よう見まねで覚えた micro:bit や IchigoJam のメニューを自分でも教えてみました。Scratch を使った「クローンを使ったシューティング」のメニューでは、これをやりたいと言って選んでくれた子にはやや難しい内容だったので、内容を少し変えてその子に合わせてあげたりもしてみた。食べる人、飲む人にあわせてメニューを少し変更するというアドリブが要求される部分は、喫茶店のように注文されたものを提供するというメタファーとうまく合っていて面白さを感じることができた。

Problem (反省点)

  • 関わる人が多くなり、今年は MakerFaire 側の後援もいただいているやや公式な企画ということもあり、きちんとオーガナイズされた企画として提供しなくてはいけないという要求があるのは確かです。決められた通りに進行しなくてはいけない、あるいはお客さんの不満となりえるようなリスクは取れないなどあります。とはいえ、MakerFaire なのですから、まずは Maker の自分たちが楽しむ、トラブルを楽しむ、リスクテイク・チャレンジを楽しむというのが本来の姿なので、うまくバランスを取っていければなと感じました。
  • 例年痛感するのですが、他のブースをもっとまわって他の Maker と交流するという余裕がもっと必要でした。
  • Tokyo 以前に開かれた MakerFaire Hong Kong、あるいは続く MakerFaire Singapore で自分の企画で出展してみてわかったのは、やっぱり自分でも出展しないと楽しくない。

Try (今後ためしてみたいこと)

  • 来年は自分でも出展して、プログラミング喫茶にも協力と掛け持ちしたい。
  • どのメニューがどのくらい注文されたのかの集計をきちんと取りたい。

大人のためのScratch - ScratchでTDD(テスト駆動開発)はできるか?

先日のTokyo Rubyist Meetupにて、Introducing Scratch to Rubyistsと題して、Scratchを紹介するプレゼンをおこなったところ、プレゼンのあとで、Scratchでテストコードは書けるのか?という質問を受けました。

そのことについてFacebookで投稿したところ、PhratchのアドオンでAssertchというものがあるなど、多方面から情報をいただいたのだが、中でも Can you TDD in Scratch?(ScratchでTDD(テスト駆動開発)はできるか?)というサブタイトルがついたScratchTDDというドキュメントが面白かったので紹介したい。

結論としては「ScratchでTDDはできる」なのですが、詳細はオリジナルのドキュメントがわかりやすく丁寧に書かれているため、そちらを見てもらうとして、変数と関数を日本語に書き換えたものを紹介する。

テストを先に書いたものがこちら↓

そしてテストが通るように、「『名前』に挨拶する」ブロックを実装したものがこちら↓

プログラミングがわからなくても、Scratchがわからなくても、変数名と関数名が日本語だと、どのようなことをやっているのかおおよそ見当がつくのではないだろうか?英語ネイティブの人がソースコードを見たときに、およそこのように見えているのではないかと思うと、我々、英語ネイティブでないプログラマーに比べて彼らには大きなアドバンテージがあるんだろうなあと痛感する。

以下は、ScratchTDDの最初の例を日本語化してみたScratchプロジェクトだ。


[https://scratch.mit.edu/projects/237424372/]

ScratchTDDの後半に紹介されているFizzBuzzの例はこちら↓


[https://scratch.mit.edu/projects/237554596/]

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Scratch 3.0 の Extension(拡張機能) を試してみた

Scratchには、外部のプログラムと通信したり、独自のブロックを自分で実装でき、機能を拡張できる仕組みが備わっています。

このブログでも Scratch 1.4 での方法、および Scratch 2.0 を拡張した ScratchX を使った方法を過去に紹介している。

» Scratch(スクラッチ)を外部のプログラムなどとつなぐ「遠隔センサー接続」を解説する(その1)

» スクラッチャーのためのScratchX入門 - その1 ScratchXとは?

Scratch 3.0 はまだリリースされていないが、GitHub 上でソースコードが公開されているため様々な開発者が独自に拡張したバージョンを公開している。

Scratch のフォーラムを見ていたら、3.0の拡張機能にあたるExtensionのスクリプトを簡単に試せるバージョンが公開されていたので、3.0の Extension を試してみました。

参考: Discussion Forums » Developing Scratch Extensions » Creating extensions for Scratch 3.0

なお、この情報はScratch3.0のアンオフィシャルな情報なので、試す場合は自己責任でお願いします。

まず、Extension のスクリプト(JavaScript で作ります)をローカルでも構わないのでWebサーバー上で動かす必要があります。

以下の簡単なテスト用のスクリプトをローカルに保存し、

例えばNode.jsのhttp-serverを起動します。

$ http-server

これで、先のスクリプトは http://localhost:8080/test.js でアクセスできるようになります。

Scratch ID Sheep_makerという方が用意してくれている Extension を読み込むことができる Scratch 3.0 にアクセスします。

» https://sheeptester.github.io/scratch-gui/

起動して、最初の確認画面で「試す」をクリックしたあと、左下のフォルダに + マークがついたアイコンをクリックして「拡張機能を選ぶ」の画面を開きます。

「拡張機能を選ぶ」の画面では、「Choose an extension」を選び、拡張機能のスクリプトのURL、つまり http://localhost:8080/test.js を入力してOKを選びます。

拡張機能のスクリプトが読み込まれ、新たに Test というカテゴリ(緑色の丸いアイコン)が追加されます。Test を選ぶと hello というブロックがあるのがわかります。

hello は実行されると console ログに hello と出力するブロックです。スペースをクリックしたら hello と出力するようなスクリプトを組んで、テストしてみましょう。

Scratch 3.0 Extensions の仕様は、Scratch 3.0 Extensions Specificationで公開されています。

ScratchX の拡張機能の仕様と似てはいますが、細かな違いがあります。拡張機能を読み込めるようにしたこのバージョンは公式なものではありませんが、上記仕様に従ったスクリプトが動くので、今後リリースされる Scratch 3.0 に対応したスクリプトをあらかじめテストしておくために活用できると思います。

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Maker Faire Hong Kong に参加し、深センにも行ってきました - MakerFaire HongKong編

本記事を含めた全記事は以下の通り。

今回の香港ツアーのそもそもの一番の目的は Maker Faire Hong Kong に参加することでした。

会場は香港理工大学。おなじみのロゴの垂れ幕が…

参加する前は、会場はクーラーが十分に効いた屋内だと思っていました。実際の会場は屋根はあるけれどオープンスペース。始まって1時間くらいは、珍しい環境を楽しんでいましたが、その後は汗が出っぱなし。

機械学習と Scratch とをつなげた ML2Scratch という作品を出展しました。

» TensorFlow.jsとScratchXとをつなげて、機械学習を簡単に体験、利用できるML2Scratchを作ってみました - 僕は発展途上技術者

日本にいない間に発売された著書の Scratchで楽しく学ぶ アート&サイエンス もブースの傍らに置いておきました。

何の機能も持っていない普通のWebカメラと機械学習を使うことで、画像認識が可能ということで、ペットボトルのキャップで Scratch の画面の中のペンを操作するというデモがこどもたちに結構受けていました。

他の出展者については、地元香港の小学生や中学校など学校単位での出展が多く、STEM教育の色が強い Maker Faire だなという感じでした。

実際には滝汗の暑い会場を少しでも雰囲気で冷やそうという試みなのか、カーリングだったり、

空冷システムのデモがあったりします。

ダンボール製のプラネタリウム?

実験装置を遠隔で操作するシステムです。

3Dプリンターなどファブ系の展示も多かった。

日本からは Pepper も参戦。

一人で出展しているとなかなかブースを空けるのも申し訳なく、他の出展を時間をかけて回ることはできませんでしたが、その代わりとして様々な方と交流する機会に恵まれ、日本からの参加者ということで珍しがられてか、懇親会などでも非常に親切にしてもらったり、向こうから話しかけてもらうことが多く、Maker 側として参加して良かったと感じました。

また機会があれば、他国の MakerFaire に参加したい。

Maker Faire Hong Kong に参加し、深センにも行ってきました - 深セン編

本記事を含めた全記事は以下の通り。

深センは香港から電車で正味1時間くらいで行けるのですが、国境(?)を越えるため出国入国手続きがいるので1時間半から2時間弱かかりました。

香港と深センの間には川が流れており、これを渡ると深センです。「泳いで渡ってもあの壁上がるのは大変だなあ」とか想像すると、ちょっと怖い感じ。

滞在中、香港 - 深セン間を2往復したのですが、この一番最初に渡ったときは緊張しました。

世界最大の電気街、深セン「華強北」に到着。

深センについては、以下のネット上の記事であらかじめ予習しておいたのがとても役立ちました。変化が早すぎて「地球の歩き方」の情報は役に立ちません。

» 変化し続ける街 知られざる深セン | ダイヤモンド・オンライン

噂には聞いていましたが、お店でも屋台でもどこでもスマホ決済でOKです。Alipay のアカウントを用意し、中国の銀行に口座を持っている方からあらかじめ送金しておいてもらったので便利でした。使った現金は地下鉄代のトータル10元(約160円)のみでした。

【2018/7/15 追記】 Alipay のアカウントはこちらの記事を参考にして、日本を出る前に、持っているクレジットカードで決済可能な状態にすることができました。ただし、お金を自分のアカウントに入金するには、中国の銀行に口座を持っている必要です。

あちこちに置いてあったモバイルバッテリーのレンタルボックス。使ってみたかったのですが iPhone 用はすべて出払っていました。

経済特区の深センは不思議なところです。ランチを食べるために入ったカフェの壁にはデカデカと Steve Jobs の言葉が。ここは中国だと思ったんだけど…

電気街の各ビルに入るとこんな感じです。各フロアでは様々なガジェット、電子部品が売られています。

こちらは、フロア全体どこもスマホケースを売っています。

ディスプレイがバリバリに割れてしまっていた長男の iPhone を格安で修理してもらいました。

雨が降っているにも関わらず車輪が付いたトイドローンが路上を飛んでいます。

Apple Watch みたいなやつとか…

こちら見たことあるような製品が。クリスティアーノ・ロナウド?

スマートホームコーナーには、Google Home らしき製品が。でも G のロゴはなかったです。

あまりに暑いので途中で水分補給。ジュース屋さんでももちろん Alipay で QR コード決済。

電気街から、こちらで紹介されていた世界最大の書店「深セン書城中心城」に移動しました。

» 深センに誕生した世界最大の書店は“文化不毛の地”を変えるか | 変化し続ける街 知られざる深セン | ダイヤモンド・オンライン

途中、レンタル自転車をみかけて、QRコードをスキャンしてみたのですがなぜかエラーがでて試すことができませんでした。

こちらが「深セン書城中心城」の中。広大過ぎて、端から端まで見るのに疲れます。

階段で座り込んで本を読むこどもたち。1000万人を超える人口で、平均年齢が30と少しという深センは、若者やこどもたちばかりが歩いている印象。エネルギッシュな印象を強く持ちました。

「iPhone の修理方法 129」という本を見つけたので、買って帰りました。中身は iPhone を分解した写真や回路図が満載。これ、売っていいんだろうか…

2日後にもふたたび深セン入りして、今度は東門歩行街という、渋谷を3倍くらいエネルギッシュにしたようなところにやってきました。

夕食を食べた後に訪れた屋台街ではこんなものが。食べ放題でお腹がいっぱいだったので今回はパス。お腹が空いていればサソリくらいはいけたかも…いや、無理か。蜘蛛はおいしいらしい。

「メイソウ」というなんだかいろいろなものが混ざった感のあるロゴのお店。

iPhone のイヤホンや、

トランスフ◯◯◯ー?が売っています。

ドローンや各ガジェットがあまりに安く、本当に動くんだろうかといぶかってあまり買い物をしなかったのですが、帰ってきて、ああ、もっといろいろ買ってきても良かったかなあと思っていた矢先。こどもたちのお土産にと買ってきた iPhone に直接差すタイプの扇風機を使っていたら、その後 iPhone を充電できなくなったという知らせが… 調べてみたら、

» 【注意】スマホに差して使う携帯扇風機、製品によっては端末が壊れる恐れ | カミアプ

という情報をみつけました。

幸い、一度すべて放電させてちゃんとしたケーブルで充電したら、再び充電できるようになりました。

冷静に考えたら、充電に使う部分に電気を流しているということは逆流させているわけで、まあ無理があるな、と。この扇風機は封印です。買ってくるにしても、単体で動くものにしたほうがいいなと思いました。高価な iPhone とかにつなげて、そちらがもろとも壊れてしまったら泣けます。

【2018/7/15 追記】 深センに関しては、肯定的なブログ記事や、あるいはやや否定的なメディア系などの記事もあったりだそうで、おそらく書いた人それぞれの受け止め方によるんだと思います。僕は、シンプルに勢いがある面白いところだなとは思いましたが、雑なところややや不衛生な感じとかは場合によっては受け入れられないなと感じました。

本屋で床に座り込んで本を読み耽るこどもたちのシーンは印象的で、このエピソードだけを聞くと、あるいはその写真を見ると、「日本のこどもたちはここまで学習意欲はない、これじゃあ勝てないなあ…」なんて感想が生まれそうです。しかし、日本に比べれば経済的にまだ恵まれていなかったり、いろいろと社会的な制約も多く、そこから脱するためには勉強してスキルを身につけるというのが近道なんだろうという事情、強いモチベーションがあるからなわけで、比べる事自体が間違っていると感じました。

むしろ、豊かになれば長時間働くことにモチベーションを感じにくくなるので、生産性をどんどん上げて、楽して働かない方向に進まないといけないんだろうなと思いました。また、いまやLCCを使えば2万円ほどで香港、深センを訪れることはできます。他の国にも以前と比べればとても気軽に行けるはず。日本のパスポートで世界のほとんどの国に行けるとのことで(参考 https://kaikore.blogspot.com/2018/03/Japanese-passports-worlds-powerful.html )、このメリットを活かさな手はないです。深センに限らずどこでも、もし気になる国があったら、どんどん自分の目で見に行くのが良いと思います。

プロフィール

株式会社まちクエスト代表、つくる社LLC代表。

Scratchで楽しく学ぶ アート&サイエンスRaspberry Piではじめる どきどきプログラミングを書きました。

Amazonから図書館検索 Libron、iPhoneアプリ ひらがなゲーム かなぶん を作っています。

Email: webmaster at champierre dot com

Twitter @jishiha

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