福島原発で起こっていることを素人なりに正確に理解する
東日本大震災で被害を受けた福島原発のニュースがテレビで流れており、Twitter でも多くの情報が取得できる。
しかし、こうした情報を断片的に読んでいるだけでは、中途半端な知識だけが増えるばかりで不安は一向に消えないどころか増すばかり。
こうした不安をのぞくには素人なりにきちんと今何が起こっているのかを理解する必要があると感じました。
そのために僕がおこなった方法と収集した情報を紹介します。いくらかでも皆さんの役に立てば幸いです。
背景
まず断っておきますが、紹介する情報を読み理解するのに僕の場合は 2、3時間を費やしました。それをやった後に、いま昨日配られた新聞の号外を読んだり、テレビのニュースを見て、やっと何が起こっているか素人なりに理解できるようになりました。
それなりに高校で物理を勉強し、プログラマーという職業上、ネット上の情報を識別できる力も身についているという背景があるということを考慮してください。なので、人によってはもっとかかるかもしれませんが、ネットを利用するなどしてわからないところをひとつひとつ調べていけばおおまかにでも理解できるはずです。
そうした上で、テレビや Twitter での情報を受け取り、自分なりにその真偽を判断することをおすすめします。
基本の知識
英語でなおかつ長文なのですが、
» Why I am not worried about Japan’s nuclear reactors. | Morgsatlarge – blogorific.
(追記: 日本語訳がでています。非常に長文な内容を素早く訳している@LunarModule7さん素晴らしいです。MIT研究者Dr. Josef Oehmenによる福島第一原発事故解説 - A Successful Failure)
をまず読むことをおすすめします。
これを読んで原発の仕組み、地震直後からいままでに起こっていること、1号機の爆発はなぜ起こったのか、そして今現在おこなわれている対応策、今後はどいったことが起こり得るか、が理解できます。
次に、原発で起こっていることを丁寧に解説されている東京大学理学系研究科の早野龍五教授の地震直後からの全ツイートに目を通しました。
» ryugo hayano (hayano) on Twitter
原発のニュースが気になった頃からフォローしていたのですが、最初に紹介した記事を読んで背景の知識を得たあと、すべてを読み返すことでより理解できるようになりました。
各地の放射線量
気になる各地の放射線量は
をたどっていけば参照できます。ただし福島県のモニターは止まってしまっています。
このモニターの値にはナノグレイという単位が使われており、ニュースで耳にするマイクロシーベルトと違うのですが、1グレイ = 0.8 シーベルトなので、1 ナノグレイ = 0.8 ナノシーベルト = 0.0008 マイクロシーベルトと考えるといいようです。1ミリ◯◯ = 1000マイクロ◯◯ = 1000000ナノ ◯◯と単位が違うと1000倍違うのでよく単位を把握して情報を読み取ることが重要です。
東京江東区屋内で計測中のガイガーカウンターが ust されています。ガイガーカウンターの単位は cpm でまた単位が異なるのですが、100 CPM = 1 マイクロシーベルト、普段は10~20CPM程度だそうで、3/14 9:51 現在、カウンターは 12 を指しています。
USTREAM: geiger_counter_tokyo: 東京江東区の屋内で稼働しているガイガーカウンタを写しています(CPM[1分あたりのカウント量]表示)。
最初に紹介した英文記事の内容が僕にはとても参考になり、本当はある程度日本語訳して紹介したいのですが、とりあえず公開することが優先と思い、リンクの紹介にとどめています。
専門家による間違いのご指摘やここがわかりにくいといったことがありましたらコメントください。出来る限り追記、修正していきます。
追記
もあります。
放射線は距離の逆二乗で減衰する(放射線Q&Aより)ので、たとえば 1km で 1 という単位のものは 200km 離れている場所では 200 x 200 = 40000、つまり約4万分の1となります。
なおこのエントリーは福島より200km以上離れた東京で生活している立場で書いています。Why I am not worried という英文の記事を紹介しておりますが、原発近隣の方にとっては全然「それほど心配はない」なんてことはないはずで、一刻もはやく原発での対応がおこなわれ、早く安心できる環境になることを祈っております。
2011/03/14 09:58:49