僕は発展途上技術者

「フェルドマン博士の日本経済最新講義」感想

ちきりんのブログで強くオススメされていたので読んだ。気になったトピックを挙げてみる。

フェルドマン博士の 日本経済最新講義
ロバート・アラン フェルドマン
文藝春秋
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  • 日本の農業はもともとが効率が悪いため、生産性をあげていけば、グローバルで戦っていく競争力は十分ある。 → カリフォルニアに住んでいたとき、farmers market(日本の朝市みたいなもの)に行くことがあった。他の大味なものと比べてここの店のフルーツはおいしいなと思ってみてみると、店というか生産者の名前に Tanaka とかって日本の名前がついていたりすることがあった。きっと二世、三世の人達が育てているのだが、日本人の遺伝子が、きっちり丁寧においしく野菜や果物を育てるのだろうかと思ったことがあったので納得。

  • 医療、社会保障費に予算を回しすぎ。教育費や新エネルギーの開発含めた研究開発費にもっと振り分けないとダメ。 → 要は、高齢者に払い過ぎているお金を、若い人や未来にもっと投資すべきという話だと思う。でもそのためには高齢者が多い地方有利に働いてしまうなどの現行の選挙制度を改革する必要があると説いている。具体的には、1) 1票の格差を解決するために、選挙区の人口に応じて議決権を振り分ける、つまり人口が多い選挙区を代表している議員にはより多くの議決権を与える 2) 投票を権利から義務に変えて、選挙に行かなければ罰金。これによって若い人に強制的に投票してもらう、という解決策を提言しているのが斬新。いろいろな問題の根本には「選挙制度」があり、まずそれを解決すれば他の問題も自ずと解決できるという考え方は、政治献金の仕組みがアメリカの問題の元凶という主張で大統領選にも出馬表明してるローレンス・レッシグ氏(クリエイティブコモンズの生みの親)の考えに通じるものがあり、問題の元凶を解決して他も一気に解決するというエンジニア的な考え方に近くて面白い。

  • 石油に代わる新エネルギーとしては、太陽エネルギーが有望。原子力は事故が起こってしまったときのコストが莫大で筋が悪い。また、電気をなるべく効率良く使う省エネの考え方はまだまだ推し進められる。→ アルミサッシの代わりに寒冷地では一般的な断熱性に優れた樹脂サッシに変える、蛍光灯の代わりに発光効率が高いLEDの電灯に変える、など省エネに関しては身近なところでできそうなことがありそう。調べてみると蛍光灯とLEDでまだそれほど違わないという話もあるようだが、LEDの発光効率は年々良くなっているようなので自宅のリビングの照明あたりから替えてみようかと思っている。


他にも、英語教育では感受性が高い中学高校時代のうちに留学したり一、二か月でもいいので中長期外国に滞在する経験が大事、などが気になった。

終始、変化や実践を必要とするが、日本の未来を明るい方向へ変えることができるという考えが一貫しているのが好感が持てる。

読んでなるほどーと思って終わりにするのでなく、小さくても具体的な行動に移すことを心掛けたい。

(今、モバイル環境から情報発信ってできるの?ってことに興味があり、このエントリーは通勤電車や風呂場から iPhone 使って書いてみたのだが、いやーやっぱりまだまだつらい。特に他から情報持ってくるときのコピペとか。とはいえ Siri を使えばテキスト入力はそこそこ行けるなどもあるが、奥さんに「風呂場でブツブツ言ってて気持ち悪い」と言われるなどまだまだ障害は多い。)

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