僕は発展途上技術者

トラック野郎


今月引越しをしたので、こちらの引越し事情について書こう。


引越しが面倒というのは日本でもアメリカでも一緒だが、こちらは金銭面のハードルが低い。日本で引越しをすると、敷金2・礼金2 に不動産屋に手数料1、そして最初の月の家賃と、合計すると家賃の約6ヶ月分近くぶっとんでいくのだろうが、こちらでは敷金1(安いところだと0.5とか)と最初の月の家賃だけというのが普通。アパートに引越しをする場合、普通直接管理人とやり取りをするので手数料はなし、そして礼金という仕組みはない。


また、引越しの作業も、自分で行って安上がりに済ますのが結構メジャーだ。まずはダンボールや紐を用意して荷造り。私たちは後述する U-Hall でいくつかダンボールや紐・ベッドやソファーを覆うカバーを買い、さらに近くのスーパーで余ったダンボールをもらってきた。スーパーで買い物をして店を出たときに、ダンボールをいっぱい持っているおばちゃんがいたので、妻が「どこで手に入れたの?」と聞いたところ、店で余ったやつをもらえるんだ、と教えてもらった。


トラックは U-Hall でレンタルする。これには最初驚く。「こんなトラック、俺が運転していいのかよ?」って。トラックの大きさによってレンタル料は違う。また走った距離に応じて料金が加算されるので、大きなトラックにすればレンタル料は高いが、少ない往復で済むため、加算される料金は少ないといった具合。しかしでかいトラックを運転できる自信がない私は迷わず一番小さいのを選ぶ。小さいとはいえ気分はトラック野郎である。不自然なほどののろのろ運転、後ろが全然見えないので誰かに後ろに立って見てもらわないとろくにバックもできないトラック野郎である。


家具など大きなものを運ぶのは友人に手伝ってもらう。これでトータル$100くらいで済んでしまうのである。


このように一回の引越しにかかる費用は大したことがないから、皆どんどん引越しする。特に春は多い。暖かくなってきたし気分一新ということなのだろう。もちろん今住んでいるところに満足している人はずっとそこに居るのだろうが、あそこのアパートは間取りがほぼ一緒なのに今住んでいるところより家賃が安い、だとか、今のアパートの管理人は怠慢で気に食わない、となるとすぐ移ってしまえるのである。乗り換えが容易だから、需要と供給の関係がきちんと働く。家賃を不当に高くすれば、住人は出ていってしまうし、新しい借り主は見つからない。妥当なところまで下げない限り、住人は見つからないのである。こうして、どのアパートも相応の家賃に落ち着く。これぞ資本主義である。



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