Joel on Softwareで有名なJoel氏によるBEST SOFTWARE WRITINGを読んでいる。
Joel on Softwareはさすが名著と言われるだけあってすばらしかったのだけれど、タイミングを逸してブログに感想を書かなかった。
BEST SOFTWARE WRITINGの感想も読み終わるまで待っていると、もしかしたら書かないかもしれないので、まだ読んでいる途中なのだけれど、いまのうちにメモしておこう。
本書は、Joel氏がソフトウェア開発に関係する「これは読む価値がある!!」と思った様々な文章を集めてきたエッセイ集だ。
アダム・ボズワーズ「ICSOC04講演」の章、RSSの長所を説明しているくだりにこうある。
RSSとウェブログ(ブログ)で最も注目に値することは、Webにおける最大の悲劇のひとつである「議論の無礼さ」を解決しはじめたやり方だ。
(中略)
Webは、人々が他の人の考えに対する意見を、自分のウェブログへの投稿を通じてコメントする巨大な場となった。そのようにすることは、コメントに対して自分の評判を懸けることになる。それは決して安いものではなく、匿名でもない。
ブログを書いていて、幸い僕は悪意あるコメントに傷ついたり嫌な思いをしたことはほとんどないけれども、それでもちょっと気になったり、すこしむかついたことはある。はてなブックマークのコメントを見るのが怖い、という人の話も聞いたことがある。
そんなとき、これからは上で引用した言葉を思い出せばいい。
僕は僕の評判を懸けてブログを書いている。それに対して誰が書いたかわからない悪意あるコメントなんてこれっぽっちも価値がないんだから、そんなコメントを気に留めたり傷つくことは馬鹿げている。
スラッシュドットでは匿名の投稿者のことをAnonymous Cowardと呼ぶ。直訳すれば「匿名の臆病者」だ。
スラッシュドットジャパンでは匿名をAnonymous Cowardとそのまま表記しているのだけれど、これじゃあ真意は伝わっていないと思う。「Anonymous Cowardってどういう意味だろう?なんかかっこいい響きだなあ」と思っているユーザーもいるかもしれず、そもそも意味も通じていない可能性がある。
しかし、本家英語版のslashdot.orgに表示されるAnonymous Cowardは違う。カウボーイの国で使われるCowardには、「臆病者が!」という強烈な侮蔑がこめられている印象を僕は持つ。slashdot.orgのコメントとスラッシュドットジャパンのコメントとを見比べると、slashdot.orgの方が圧倒的にAnonymous Cowardのコメントが少ないのもうなずける。
みなさんも悪意ある匿名コメントにもし傷つきそうになったら、「この臆病者が!」と心の中でつぶやきましょう。きっとすっきりすると思います。
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