僕は発展途上技術者

Ruby会議2009 3日目まとめ


  • 午前中、Regional RubyKaigiのご報告のあと、上海のRailsコミュニティー! 日本がぼやぼやしている間に、上海はアツイ!Hello World From The Other Side Of Earthと続けざまに海外の方(上海の方は日本人ですが、発表は英語)のセッションを特別会議室で聞く。通訳急募というIRC上のリクエストに答えようかとちょっと迷ったのだが、躊躇してしまった。

  • RubyをつかったiPhoneアプリケーション開発。Ruby で開発できたら楽そうだよなあ、でも Objective C の各メソッド名などが長いのはどうにもならない。デバッグ用に使えるかな。

  • Take the Red Pill。Ruby 会議に昨年初めて参加したとき、そのクオリティの高さに驚いた。Ruby 会議の数倍もお金がかかっているコンファレンスなど今まで何回か参加したことがあったけれど、そのどれよりも素晴らしく、またプロフェッショナルさを感じたのだが、その裏での苦労、苦悩が感じ取れたセッションだった。

  • 基調講演: Rubyと私、そして日本Rubyの会。高橋さんは飄々とした見た感じとはちょっと想像できないんだけれども、熱くそしてエネルギッシュな人だ。Ruby コミュニティのこれまでの歩みがわかり、数々の人たちの努力と情熱のおかげがあって、こうしてすばらしいカンファレンスができるまでにコミュニティが育ったことを思い知らされた。


1日目、2日目と当日あるいは翌日にまとめを書いたあと、3日目のを書かずにいるのも締まらないと思い、時間を置いて書いた。そのため、上のまとめは全然うまく書けていないと思う。


そんなエクスキューズはさておき、Ruby 会議全体の感想。


これまでのまとめでも何回か触れているが、数々の人の努力と情熱があって Ruby が育ち、そして Rails が生まれ、それが世界中に使われるようになり、僕もそれでめしを食っている。これってほんとうに奇跡に近いと思うんだけれども、それを可能にした人々に感謝し過ぎてもしたりない気がする。


一般の人に、オープンソースというものがあって、いまや多くのサーバーの OS は無料で手に入り、開発言語や便利なソフトウェアも無料、それらを無償で開発・メンテナンスしている人々がたくさんいる、という話をしてもまだまだ信じてもらえないはず。僕も、POPFileというオープンソースのプロジェクトに日本語化という形で関わるまではそうだったと思う。でも、やってみたらそこにはまったく違う世界があったし、そして僕の世界も変わった。6年前に POPFile のパッチを初めて送ったときが僕が Red Pill を飲んだときだったんだと思う。


そこでは、お金という人類が生み出した便利な道具だけでなく(「でなく」と書くかわりに「だけでなく」と書くようにした。だってやっぱりお金なかったら食っていけない)、楽しいとか好奇心とか人の役に立ちたいという善意で動くひとたちがいて、それがみるみるプロダクトを完成させる、という現実に見える結果を生み出していた。おおげさでなく、僕はそこに人類は進化してついにここまできたんだという印象を持った。


Ruby 会議で言われていた「得も言われぬいい感じ」というのは、僕にとっては、最初にオープンソースに関わったときに感じた「良い感じ」と同じものであり、僕の原点を思い出させてくれる。


さてさて、とはいえ、「いい感じ」とか「楽しい」とかばっかり言っていても食っていけないのであり、またその「いい感じ」も継続的に維持はできないのだから、僕にできることとは Ruby -> Rails を使って価値を作り出し、食っていき続けること。Rails を使って学んだ知識をブログで公開すること。それと、相対的には人よりも得意だと思う英語を使って、Ruby のコミュニティに恩返しをすることだな、と思っている。IRC上の通訳を躊躇したことは反省していて、これからはもっと積極的に日本語 -> 英語、英語 -> 日本語へのブリッジ的役割でコミュニティに関わっていきたいと思っている。


プロフィール

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