僕は発展途上技術者

小中学生へのプログラミング教育を考える - CoderDojo Tokyo または下北沢 ができること

»「ちょっと待った!小中学校でのプログラミング教育」- Matz にっき

Ruby を作ったまつもとさんによる素晴らしい文章。プログラミングの教育に少しでも興味があればぜひとも読んで欲しいです。

小中学生にプログラミングを教える CoderDojo という活動をおこなっているのですが、来てくれるこどもたちがなかなか定着しなかったり、あるいはここ数ヶ月シリーズ化してやってみた Enchant.js の講座でも反応があまり良くなかったりと、モヤモヤとした感情を持っていたのが一気に晴れた気がします。

特に


プログラミングを教えるというのであれば、少なくとも教える人はプログラミングの楽しさを自覚している人でなければ成果をあげられないと思いますし、そのような人をそれぞれの学校に配備するのは大変な困難ではないかと思います。


の部分は非常にすっきりしました。

先日の CoderDojo 下北沢で、参加していたメンターで今後の方向性を話し合っているときに、メンターの一人 @geckoinc さんがそれとなく僕の息子に「CoderDojo 下北沢をどうしていったらいいと思う?」と聞きました。そのとき、息子は「楽しくプログラミングができればいい」と答えたのですが、そのときは聞き流しあまり気に留めませんでした。思えばそのとき、息子は答えを提示してくれていたのです。

少しやってみるとわかるのですが、こどもに教えるというのは、それはそれで別のスキルです。なかなか一筋縄ではいかない。それはもう教えるプロにまかせればいい。

CoderDojo に集まるメンターは教えるプロではないのですが、その代わり本職のプログラマーやデザイナーが多い。それも自分の仕事を好きなひとたちばかりです。それをもっと活かせばいい。自分の仕事のこと、いま面白いと思っていることを毎回でなくても、持ち回りでこどもたちの前で LT 形式で発表する。学校ではおそらくできないであろう「プログラミングの楽しさを伝える」ことこそ、CoderDojo だからできることなのではないかと思いました。

上記「Matz にっき」には


私の知っている優秀なプログラマのほとんどが自学自習でプログラミング能力を身につけている現実を考えると、あるいはプログラマとは、養成されるものではなく、発見されるものなのかもしれません。


とあります。

プログラミングの楽しさを伝えると同時に、あとの時間はドットインストールの動画をみたり、テキストを使って「寺子屋」と呼んでいる自習形式でいい。

CoderDojo 本家の柱で掲げている「Cool でなければならない」というのが僕自身いままでピンときていなかったのですが、「Cool」->「いけてる」->「楽しくなくてはならない」と解釈すれば納得が行く気がします。

1. プログラミングの楽しさを伝える
2. プログラミングの自学自習の場を提供する

を今後の、まずは CoderDojo 下北沢の2つの柱として掲げたいと考えています。

異論などありましたらコメントをお願いします。

プロフィール

株式会社まちクエスト代表、つくる社LLC代表。

Scratchで楽しく学ぶ アート&サイエンスRaspberry Piではじめる どきどきプログラミングを書きました。

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