学研プラス
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を読了。
学研のまんが「〇〇のひみつ」シリーズはこどもの頃にたくさん読んだので懐かしい感じ。
まんがでスクラッチプログラミングを学ぼうという内容だが、ゲームの作り方、ネットとのつきあいかた、それぞれの長所を活かしたチームワークが紹介されていて、とてもいい感じだ。また、まんがとして、ストーリー、物語としてとても良くできている。
ゲームばかりやってないで、といまだにネガティブに捉えられがちのゲーム。そのゲームを作るというプロセスを非常に肯定的に描いているし、ネットにしても、ネガティブなところばかりをネットリテラシーと称してこどもたちに教えがちになるところを、ネガティブな面に注意しつつポジティブに利用しようというところが丁寧に描かれている。
そして、全体を通して描かれているのが、登場人物それぞれの得意なスキルを持ち寄り協力してプロジェクトを完成させるという欧米流と言っていいチームワーク。なぜチームワークを欧米流と呼ぶかだが、日本の学校で教えるのは、宿題もテストも誰の力も借りずに独力で対応する個人主義だからだ。
以前、テレビの番組でチームラボの猪子さんがそのことを主張していたのを聞いてとても納得した。下の記事でも同様のことに触れている。
日本の学校って個人主義を徹底的に刷り込むようにできているんですよ。宿題をするのは一人、テストも一人、もちろん受験も一人で対応して、それが評価の対象になる。 チームで成果を問うってないでしょ? たまにグループを作って共同で何かすることもあるけど、それが成績に反映されることはないですよね。そして個人に短所があれば先生に叱られる。短所をつぶして個人として完結することを強く要求されるんです。
» チームラボ・猪子寿之:日本は「グループ」、欧米は「チーム」、その違いは何か?
もちろん、メインのスクラッチでプログラミングの部分は、「5才からはじめる すくすくプログラミング」著者の橋爪さんが執筆していて、わくプロシリーズ通して監修している阿部先生のチェックが入っているので、万全の内容で安心しておすすめできる。
ネタバレになるので詳しくは書かないが、映画やまんが、物語の定番の形と言っていいこのまんがのこういうエンディングがとても好きだ。僕はこどもの頃にはプログラマーになりたいとは思わなくて、30代半ばでようやくこれが向いてそうだなと思ってプログラマーになったのだけれど、もしこどもの頃にこの本を読んでいたら、大人になったときにプログラマーになりたいと思ったに違いない。。
2017/05/14 09:00:00