僕は発展途上技術者

「勉強しかできないバカにならない方法」- フジテレビ「全力教室」の茂木健一郎氏の回をみての感想

フジテレビ「全力教室」の茂木健一郎氏の回を観た。


「勉強しかできないバカにならない方法」というテーマの元に、現役東大生たちを相手に授業を行う。授業前のインタビューで、「一発、やってやりたい。彼らが持っているプライドを申し訳ないけれど、ズタズタに壊したい!」


» 講師に、茂木健一郎が登場!現役東大生たちを相手に、熱血授業を展開!『全力教室』

テレビで久々に心動かされた内容でした。

僕自身、筑波大学附属駒場 -> 東大 という絵に描いたような偏差値教育を体験してきて、「勉強しかできないバカ」というのは非常によく分かるところ。

「勉強しかできないバカ」というのは、ペーパーテストで判定可能な決まりきった問題を解決する処理能力はめっぽう強いが、それに比してテストでは優劣を判定できない想像力だとか創造する力が著しく低い、ということを指していると思っている。

入社した会社はそこそこ大きく、新人研修は約一年間おこなわれ、たとえば英語研修ならばTOEICで評価される。「択一式の答えの正解の部分がボーッと光るように見える」などと冗談を言っていたくらい、ペーパーテストは得意中の得意。業務が始まっても、新人の頃というのは決まりきった仕事しかしないので、そつなくこなせていたと思う。

でも偏差値教育の効果が発揮されたのはここまで。

その後、アメリカに本社を持つソフトウェア会社の日本支社に転職、そのソフトウェアの会社のアメリカ本社に転籍、ITベンチャーに転職、独立、と僕の人生が進んでいき、解き方が決まっていない問題ばかりの世界になっていくと、自分なんてほんと大したことないなと、すごい奴なんてゴロゴロいる、という感覚を持つようになった。

自分が通ってきた道に反して、来年中学生になる長男には中学受験はさせず近くの公立中学校に通わせる。旅人算や時計算、ニュートン算なんかよりも、Scratch(MITが開発した教育用プログラミング言語) をやったり、合気道やサッカー、キャンプしたり、ボルダリングをやったりというほうが大事だと思っているからなのだが、これがなかなか勇気が必要だったりする。まわりのこどもたちは塾に通っていたり、あるいは僕の親からは心配される。

「こどもたちは将来ますます解き方がわからない問題ばかりに直面する。それゆえに中学受験から始まる偏差値教育には問題がある」という強い信念を持ち続ける必要があるのだが、まさにその部分を「全力教室」の茂木健一郎氏が力強く擁護してくれたように思う。

プロフィール

株式会社まちクエスト代表、つくる社LLC代表。

Scratchで楽しく学ぶ アート&サイエンスRaspberry Piではじめる どきどきプログラミングを書きました。

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