僕は発展途上技術者

POPFile 日本語マニュアル


以前から紹介しているスパム(ごみメール)を自動的によりわけてくれるフリーソフト POPFile の日本語マニュアルが公開された。「訳者注」なんて書いているその訳者は私。翻訳家になった気分だ。こうして公開されると、なんだか翻訳された本が出版されたようでうれしい。


http://popfile.sourceforge.jp ではインストーラーも公開したので、かなり楽にインストールできるはず。今まで POPFile で日本語のメールを扱うには、英語のマニュアルを読んだり、ファイルをコピーしたり、設定が面倒だったりとパソコンに詳しい人向けだったが、マニュアルとインストーラーがそろったことで、自信を持って広く一般にお勧めできるようになった。



Catch Me If You Can


点数:8/10


最近外ればかりだったのでなおさら面白く感じた。スピルバーグ監督による、実話に基づいた史上最年少の小切手詐欺者の物語。これが実話というから、すごい。こんな人物が生まれるアメリカってのもすごい国だとも思う。実話に基づいた物語は、映画にするのに無理があるのか、たいていはつまらなくなりがちだが、この映画は違う。実話自体が面白いというのもあるし、テンポが良くて楽しめた。


amazon.co.jp で買う


ところで日本向けの「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」って題名どうなんでしょう?カタカナ英語並べて間抜けに見える。だったら、英語のままにすればいいのに。



IEの小技


知らなかったので、忘れないうちにメモしておく。Internet Explorer のアドレス欄にURLを入力するとき、例えば www.asahi.com と入力するところを、ただ asahi と入力し、Ctrl + Enter を押すと、www と com を自動的に補完してくれる。これは便利。



Portal One in Sony Metrion


Linux World Expo が開かれた San Franciscon Moscone Convention Center のすぐ側に映画館やショールームがある Sony のエンターテイメントセンター Sony Metrion がある。帰りに立ち寄ってみたら面白いと思ったものを発見。


Portal One というゲームセンターだ。普通のゲームセンターと違うのは、料金を払って一定時間ゲームやり放題というところ。ウェブサイトに詳しい案内は書いていないのだが、確か2時間$20だったと思う。時間がなかったし、最近はゲームなどほとんどやらないので、すぐ立ち去ったのだけれど、このシステムは面白いと思った。



Linux World Expo


Linux World Expo に行って来た。Linux とビジネスってやはりまだ相性が悪いのか、いまいち活気がないという印象を受けた。出展スペースの一角は .org スペースになっていて、Linux らしく非営利団体が出展している。非営利団体だから豪華なブースとはいかず、机一つに椅子一つなんて調子で、寄付を募っているところが多い。そこら辺うろうろしている人も、まさに Nerd、Geek(英語でおたくという意味)といった風貌の人が多いのが Linux ならではで面白い。ちょうど映画 インデペンデンス・デイ に出てくる科学者みたい。



.gov でも精神は .com


国債を買ってみた。といってもアメリカ国債の話だ。年利2.66%で、たいがいのCD(アメリカの銀行の定期預金のようなもの)よりも利率が良いので、定期預金代わりだ。0.0266% とか 0.266% じゃない。2.66% だ。


アメリカ国債は http://www.treasurydirect.gov で口座の開設から購入まですべてオンラインでできる。いろいろサイトの説明とか読んでいたから私の場合は1時間ほどかかったが、やろうと思えば10分くらいで全部できてしまうんじゃないだろうか。(Saving Bonds と呼ばれる記名式のアメリカ国債に限る話です。無記名式で流通市場で売買できるT-Bill/Note/Bondに関しては、口座の開設にサインがいるのでオンラインではできません。情報元の目指せFIというサイトのフォーラムで指摘されました。)同じ国債が Savings Bonds DIRECTではクレジットカードで買える。こっちは1週間前に小額の国債を試しに買ってみた。こちらは口座を開くことなく、購入した国債は印刷され郵送されてくる。これぞ本物の国債券だ。


Savings Bonds DIRECTで購入したときは驚きの連続だ。「国債を購入する」のボタンは「Go Shopping」だ。いくら買いたかの情報を入力したら、「Add to Shopping Cart(ショッピングカートに入れる)」ボタンを押す。購入が完了して数秒後、自分のメールアドレスあてに「ご購入ありがとうございました」メールが到着する。2、3日後には「国債の印刷が完了しましたので、いますぐあなたのお手元に送付いたします」といった旨のメールが届く。まるで www.amazon.com で買い物をしているようだ。


アメリカの役所、少なくとも Web サイト(.gov で終わるサイト)はまるで普通の企業のサイト(.com で終わるサイト)と変わらない。顧客第一主義、つまり役所だから生活者第一主義だ。試みにいくつか日本のお役所系サイトとそれに対応するアメリカの .gov サイトを並べてみた。どっちが見やすい、使いやすい?



  • このお金をお国のために役立ててください


日本 | アメリカ



  • 自動車免許の更新について知りたいな


日本 | アメリカ



  • ボスのお家


日本 | アメリカ



  • 「教育は国家百年の計」と言われますが


日本 | アメリカ


http://www.mezasefi.com/investment/invest6.html にアメリカ国債購入に関する詳細な情報が載っています。)



セミナー


http://www.jtpa.org が主催する「今企業が欲しがる人材」というセミナーに参加してきた。


http://www.jtpa.org/event_in_silicon_valley/000110.html


転職活動・キャリアプランについてのお話。ためになった。


「キャリアプランとライフデザインは違う」という言葉が印象的。自分・家族が日本に帰りたいから日本に転職する、あるいはアメリカに残りたいからアメリカで次の会社を探す、をやっちゃいけないということ。キャリアプランとライフデザインを切り離して考えるべし、ということなのだが、なかなかそう割り切れない問題ではある。


セミナーには色んな人が参加していて、何人かの方と話して刺激になった。こうした機会がアメリカに来てこれまで三年間あまりなかったので、もっと会社の外に目をむけるべき、人と交流するべきだなと痛感した。これからちょくちょくこういったセミナーなどに参加していきたい。


セミナーの講師の方は、私がアメリカで会った日本人・日系人の中でもおそらく一番日焼けしていて黒く、とてもヘッドハンターをやっている方には見えない怪しげな方。しかし、お話はとてもユーモアがあって面白く、簡潔でわかりやすくとても役立つ。見た目とのギャップ(失礼)がかえって、好印象を際立たせる。元リクルートの藤原和博さんが著した「自分「プレゼン」術」という本に、「自分を印象付けるのは初対面のときが一番大事。そこで失敗すれば2回目3回目はないかもしれないし、あったとしても1回目の印象を変えるのは1回目のときよりも100倍難しい」なんて話があったのを思い出す。風貌が怪しい、というのもうまく使えば印象を与える大きな武器になる。私は自分で思うにすごく普通なので、もっと怪しくなった方が良いのかもしれない。



MoPixシステム


ページの左の Junya's Antenna にも登録している、梅田望夫さんのBLOGはほぼ毎日目を通す。昨日の記事に紹介されていた JTPA(技術を志向する日本人プロフェッショナルがシリコンバレーで働くのを支援するためのNPO)代表の渡辺千賀さんのBLOGが面白い。中でもMultimedia- symphony & Sony Clieというclassicのコンサートで解説を聴衆に配信するシステムの話が目を引いた。これを読んで、「コンサートだけじゃなく映画でもこんなシステムがあればいいのになあ」と思った。


Matrix Reloaded を見たときの日記でも書いたけれど、字幕なしの映画はネイティブでない者にはやはりつらい。DVD になれば英語字幕が出るし、ビデオでもクローズドキャプションが付いているのでそれまで待てばいいのだが、やはり公開直後に映画館で見たい。その映画館で、私のようにネイティブでない者の理解の助けに英語字幕で良いから表示できるようなシステムがあれば素敵だ。


いや待てよ。目の不自由な人のために、ほぼどのテレビ番組もクローズドキャプション対応であるように、アメリカは障害者にやさしい国。映画館で字幕が表示されるシステムなんて、すでにあっても良さそうだ。「映画 キャプション」で検索してみると、欧米のバリアフリー映画事情というページを見つける。劇場映画のクローズドキャプションを観客の椅子に取付けたスクリーンに表示する MoPixシステムというのがあるそうだ。これは素晴らしい。このシステムを作ったNCAMという団体のページでMoPix システムが設置された映画館を確認。さっそくこの週末にでも観に行ってくる。



沈黙


amazon でこの本を購入


著:遠藤周作


この本は、以前の会社を辞めるときに先輩がプレゼントしてくれた本だ。送別会のときのプレゼントに何が欲しいかと聞かれ、読書好きの私は、「じゃあ皆さんそれぞれがお勧めする本が欲しい」と注文したのだ。頼んでおきながら、転職して約4年間も読んでいなかったのだが、いつかは読もうとそのとき頂いた本は全冊、アメリカに持ってきている。いいかげん読んで感想を伝えないと、と思い立ち、読み始めたのがこの一冊である。


本をプレゼントされるのはいい。自分では絶対買わない、読まないような本と出会うことができるからだ。最近ではビジネス書ばかりを読んでいて、このような小説は全然読んでいなかったので新鮮だった。


舞台はキリシタン禁制の頃の長崎。ポルトガルから密かに布教のために日本に渡ってきた司祭ロドリコだが、捕らわれ、キリスト教を棄てろとせまられる。司祭が転ぶ(背教)まで、自分ではなく他の日本人の信者達が拷問され、次々と処刑されていき、司祭はついには踏絵してキリスト教を棄てる。


目の前で信者が処刑されていくのになかなか棄教しない司祭も、キリスト教を棄てることを拒み拷問され処刑されていく日本人の百姓達も、無宗教の私には理解できない。アラーの神のために死んでいくイスラム教徒も、神が我々の側についているといってイラクの人々を殺すアメリカも理解できないのと同じように。自分/他人に関わらず命を絶つことは悪だ、と思うけど、宗教を持つ人々には違うのだろうか。信仰が命よりも大切なこともあるのだろうか。


宗教のおかげでこのような、私にとっては大きな悪がおこなわれる一方で、でも大きな善も宗教によっておこなわれる。


住民の味方「ピストル神父」が治安維持…メキシコ


http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20030716id31.htm (http://d.hatena.ne.jp/masah/20030719#p4 より)


という記事を最近読んだが、無宗教の私にはこうした強さはないと思うし、また理解できない。宗教を持たない者は大きな悪を犯す可能性が低いけれども、その代わり大きな善を生み出す強さもないのかなあ、と思ってしまった。


無宗教だけれど、人を殺してはいけない、盗んではいけない、に始まり、カンニングしてはいけないとか、誰も見ていなくてもポイ捨てしない、といった道徳を私は持っている。なぜこうした道徳を持っていてそれを守り通すことができるのか。それは、無宗教とは言っても日本人が代々長く信じていた仏教とか神道とかの影響を日本で生活している中で自然と受けて、小学校のときに少し通っていた教会で聞いたキリスト教の教えなどもミックスされて、ごちゃ混ぜな自分一人の宗教というものを持っているからだ、と考えている。世界のほぼどの国でも宗教を持つことはごく普通のことで、アメリカで「日本人の宗教は?」あるいは「あなたの宗教は?」と聞かれたとき、ただ単に「無宗教だ」と答えるのは「私は善悪の判断がつきません」と言っているように聞こえるから、このような考えを披露することにしている。でも、長崎の中学生が小学生を殺害する事件のことを聞くと、「無宗教だから起こるのだろうか。彼が神や善、正義を信じていたら起こらなかったのだろうか。やはり宗教は必要なのだろうか」と思ってしまう。



ターミネーター3: Rise of the Machines


点数:5/10


Bad Boys II や Legally Blonde 2、Tomb Raider など、最近続編ものばかりだ。第一作や第二作がヒットして、それを見て良かったと思った観客がまた見にくるのだから簡単に儲かるということだろう。ターミネーターは、1 はそれほどでもなかったのだが 2 はとても良かった。2 のクオリティを期待して 3 を見に行ったのだが。。。見事に裏切られた。続編はめったにオリジナルを超えることはないという典型例。


今度の敵は女ターミネーター T-X だが、2 の悪役 T-1000 がただ女になっただけといった感じで全く新鮮味がない。完全に液状化できない分、退化したのでは。ターミネーターが未来から転送されてきて球状の空間から現れるところに始まってカーチェイスのシーンなど全編に渡り、2 のほとんど同じ展開、似たシーンの連続で、しかもギャグがふんだんに織り交ぜられているからパロディ映画に思えてしまう。


液状化するターミネーターという斬新なアイデアとその映像化を実現したCGの驚き。シュワルツネッガーが敵ではなく実は味方だという意外な展開。バイクに乗ったシュワルツネッガーがトレーラーの横を一瞬のうちに通り抜けるアクションシーンのスピード感。機械のターミネーターと少年ジョン・コナーの交流。サラ・コナーの夢に出てくる世界の終焉やターミネーターが最期の瞬間に親指を突き立て溶鉱炉に沈んでいく印象深いシーン。これらは全部 2 の話。3 はこれら全てを台無しにしてしまった。2 を撮ったジェームズ・キャメロンに出来るなら 3 を撮り直してもらいたい。


「2 は傑作だった」というわけで 2 を勧めておく。


ターミネーター2をamazon.co.jp で買う


まだだけど、ターミネーター3をamazon.co.jp で買う



プロフィール

株式会社まちクエスト代表、つくる社LLC代表。

Scratchで楽しく学ぶ アート&サイエンスRaspberry Piではじめる どきどきプログラミングを書きました。

オンラインコンテンツ: 大人のためのScratch

Amazonから図書館検索 Libron、iPhoneアプリ ひらがなゲーム かなぶん を作っています。

Email: webmaster at champierre dot com

Twitter @jishiha

最近のエントリー

アーカイブ