僕は発展途上技術者

クックパッド * 百式 コミュニティ運営に関する勉強会で学んだこと

IDEA * IDEA で募集がおこなわれていたカジュアルな勉強会に応募して行ってきました。テーマは「コミュニティ運営」。


» コミュニティビジネスについて勉強した | IDEA*IDEA


クックパッドにはまったくおよびもつかないのですが、僕も Ruby on Rails で「あとで行く」や最近リリースしたばかりの「ピクイズ」といったサービスを運営しています。月間2億PVを超え、Ruby on Rails で運用しているサイトとしてはおそらく国内最大サービスの秘訣を聞いて、少しでも参考にしようと思ったのです。


が、しかし。。。集まった参加者からのコミュニティ運営に関する質問に、クックパッド CEO の佐野さんが答えていくという形で勉強会は進められたのですが、その答えの多くは良い意味で僕の(そしておそらく参加者の多くの)予想を裏切ってくれたのでした。


コミュニティサイトをクックパッドレベルまでの成功に持っていくためには、ユーザーを増やし、PV をどんどんあげて、広告収入で儲けるというのが一般にイメージされる図式だと思います。参加者からの質問の多くはそうした視点のものでしたし、僕が挙げた質問も、「サイトを見てもらうだけじゃなくコンテンツを作ってもらう秘訣は何ですか?」とか「ユーザーからの機能要望に対してはどうしていますか?」というように、


「サイトのコンテンツを充実させる」 or 「良い機能をどんどん追加する」 => ユーザーがたくさん来るようになる => PVアップ => 収益化


を意識した質問でした。


ところが佐野さんは、そうした「一般的にはこうだよねえ」と思われる考え方とは異なる逆説的な考えを披露してくださいました。面白いなあと感じた点をいくつか挙げてみます。


「コミュニティ」という言葉が嫌い


勉強会のテーマが「コミュニティ運営」であるにもかかわらず、のっけからこの言葉。


「コミュニティ」と言うと、人を同じ場所にどんどん集めて、その集まりを大きくしていくというイメージがあります。でも、人が一箇所に集まり、互いの距離が近過ぎてしまうと、トラブルが頻発するようになるし不快にもなってきちゃいます。馴れ合いが起こったり、元々その場所にいた人と新しく来た人との摩擦が起こったり。


「使っている人の満足度を第一に考えている」と佐野さんは何度となく口にしていましたが、ユーザー同士の距離には快適と思える距離があって、その距離を保てるようなサイト設計を心がけているのだそうです。具体的には、あえてたくさんクリックしないとたどりつけないようになっていたりだとか、コメントに文字数制限を設けたりだとか。。


あえて不便にするような方法を取るということに驚いたのですが、もっと驚いたのはこうしたことをサービス開始当初(10年前!!)から考えていたのだとか。すごいなあと思いました。


アクセス数を増やすことが目的ではない


佐野さんの口から繰り返し出てくるのは、「料理を楽しくする」とか「ユーザーの満足度が大事」という言葉。「アクセス数を増やす」「ユーザー数を増やす」ことが目的ではない、と何度も口にするのです。


ユーザーが増え、アクセス数が伸びてきて、サーバーの許容能力を超えてくると、レスポンスが悪くなってしまいユーザーの満足度が減ってしまいます。だからサーバーリソースが追いついていないときには、ユーザー数が増えすぎてしまうのは困りものなのだそうです。


ユーザーがサイトを見たいと思ったときにちゃんと見られるようになっているのか、いらいらすることなくサッと見られるようになっているのか、ということをいつも気にしているのだそうです。「アクセスの先に生活感を感じている」とおっしゃっていました。


アクセス解析で見る指標として、PV(ページビュー)ではなく UU(ユニークユーザー)を重視している。なぜかという問いに対して、「人に対してサービスを展開しているので」という言葉が印象的でした。


エンジニアに求めるものは技術力じゃない


エンジニアの僕にはこの言葉が一番印象に残りました。


この言葉に込められていたのは、もちろん技術力も大事だけど、「使ってくれる人のことを考えてものを作るこころが一番大事」だということなんじゃないかなあ。


佐野さんが挙げた例なのですが、たとえば「幼稚園の送り迎えを快適にする」というサービスがあったら、その目的を達成できるサービスをちゃんと作れることが大事だ、と言います。


このとき、エンジニアに必要なのは、高度なアルゴリズムを使う能力でも Javascript をばりばり使いこなす能力でもあるいは効率的で綺麗なコードを書く能力でもなく、送り迎えする人の立場に立ってわかろうとする気持ちだったり、あるいは自分自身が送り迎えをするという体験なんだと思います。


懇親会のときにクックパッドのエンジニアに話を聞きました。少人数であるにも関わらず、億を超える PV をさばき、それだけのユーザーに満足してもらえるクオリティの機能を提供しているのだから、皆それぞれかなり高いレベルの技術力を持っているはずです。でも、それと同時にみんなが料理することが好きで得意だ、ということを聞いてハッとしたのでした。


「コードばっかり書いていちゃ良い技術者になれない」


のだ、と。


Rails を開発した David Heinemeier Hansson 氏が、「Rails で高めた生産性で稼いだ余剰時間を、さらにプログラミングに費やすのではなく、他のことのために使おう」といったことを言っています。


» Ruby on Railsの作者より:高まった生産性を仕事を余計にこなすためではなく自分の将来に向けて使おう - himazu blog より


勉強会の日の数日前に読んだエントリーだったのですが、それがそのとき思い出されたのです。


料理をしたり、絵を描いたり、スポーツをしたり、英語以外の言語を学んだり。。。とプログラミング以外のことをすることで、新しいサービスのアイデアが浮かんでくるかもしれないし、新しい方法を考えついてそれをプログラミングにも適用できるかもしれない。人間力といったらいいのか、それを高めることが大切だということを実感したのでした。


まとめ


「コミュニティ運営」について学んだのはもちろん、「みんなはこう言っているけど、ほんとうにそうなの?実は違うんじゃないの?」というスタンスを持つことの大切さ、最後にはエンジニアとしてあり方みたいなことも気づかされた大変充実した勉強会でした。


佐野さん、百式管理人、それに懇親会でお話を聞かせていただいた参加者の皆さん、クックパッドの方々(おいしいお料理もいただきました)に感謝です。


以下、参加者の方々のエントリーです。


» F's Garage:コミュニティビジネスに大事なたった一つのこと


» 2008-11-01 - satake7’s memo


» watchpad.jp 開発チームブログ» ブログアーカイブ » 百式|COOKPADの勉強会に参加


» 百式 カジュアルな勉強会 コミュニティ運営に行ってきた | 芸人社長のブログ


» 月間 2.8 億 pv!クックパッドの運営ノウハウについて聞いてきた - 19790401173.4


» Cookpad でコミュニティについて勉強してきました (ラボブログ)


TextMateで全角スペースをハイライトする方法

Ruby on Rails の開発に、TextMateを使っています。


一見バグがないように見えるのにどうしてもプログラムが動かない、よく調べてみたら、コードの中に全角スペースが入り込んでしまっていた、ということが良くあったので、それを TextMate 上で阻止する方法を調べてみました。


TextMate はデフォルトでは日本語が入力できないためだと思うのですが(日本語を入力できるようにする方法についてはTextMate を試してみた - yuum3のお仕事日記を参照)、日本人にユーザーが少なく、日本語のまとまった情報が少ない。


以下のエントリーで解説されている「改行前の無意味なスペースをハイライトする方法」を参考にして、全角スペースをハイライトできるようにしたのでその方法を紹介します。


» life.i.think: Trailing Whitespace in Textmate


TextMate のメニューから、Bundles > Bundle Editor > Edit Languages を選びます。


左メニューで Ruby を選択して、下のキャプチャのように適当な場所に invalid.zenkaku-whitespace を定義します。match の中身は全角スペース一個です。


bundle-editor.png


次に、(このウィンドウがなかなかみつけられなかったのですが。。) TextMate > Preferences を選び、Fonts & Colors タブを選択します。


fonts-colors.png


やや左下の方の + アイコンをクリックし、Element を追加、Zenkaku-Whitespace などと名付けたあと、Scope Selector で先ほど定義した invalid.zenkaku-whitespace を選びます。BG(バックグラウンドカラー)は適当に好みの色を選びます。


以上で設定完了。


以下のような感じで、全角スペースが紛れ込んでしまっても一目瞭然です。


environment.png


TextMate は強力なエディターだという話は聞いていましたが、これまでこういった便利機能は駆使しておらず、普通のエディタとしてしか使っていませんでした。これを機会にもっと使いこなしてみたいと思います。


作ってたのしい遊んでたのしい画像クイズサイト「ピクイズ(Piquiz)」

Google AJAX Search API を使い、簡単に画像や写真を使ったクイズを作って楽しめるサービスを作りました。


» ピクイズ(Piquiz) - 作ってたのしい遊んでたのしい画像クイズサイト



元々同じコンセプトで四択.comというサービスを去年作ったのですが、すっかり放置状態となっていたのを、「もったいない、私がテコ入れしますよ」と声をかけてもらった有限会社三恵さんと共同で開発し直しました。


Google 画像検索では、キーワードを入力してそのキーワードに関連した画像を検索します。ピクイズは、逆に検索された画像や写真を見て、それがどのキーワードで検索された画像かを当てるクイズです。


四択.com では管理者の僕だけがクイズを作成できるようにしていたのですが、作っているうちに、「これって遊ぶのもたのしいけれど、作るほうも結構楽しいじゃないか」と思い、その楽しさを味わってもらおうと、ピクイズではユーザーの誰もがクイズを作成できるようにしました。


キーワードの組み合わせを工夫することにより、例えば都道府県当てクイズ幕末人物列伝のような雑学クイズができたり、おすぎ と ピーコねこの名前を神業的にあてるクイズといったちょっとしたお遊びのネタ的なクイズを作ることができます。


ちなみに僕のお気に入りは、


» ピクイズ(Piquiz) - 印象派の画家たち


検索された画像がきれいにそろっていて美しい!


では、ピクイズのキモであるクイズの作り方をご紹介します。


まず、サイト左側の「ピクイズをつくる!!」をクリックします。ユーザー登録をしていなくてもとりあえず試しに作れるようになっています。


piquiz2.png


クイズのタイトルを決めます。


piquiz3.png


次にキーワードを入力していきます。このキーワードのひとつひとつが選択肢であり、正解の答えとなるキーワードでもあります。


piquiz4.png


今回技術面で一番工夫したところです。テキストエリアでカーソルを置いた行のキーワードを自動的に検出し、リアルタイムで画像検索の結果を右側に表示しています。この検索結果を見ながら、ちゃんと意図した画像が表示されるかを確かめるためです。


piquiz5.png


上のキャプチャのように、意図に反して、「apple」の検索結果としてコンピューターの apple の関連画像が表示されてしまいました。このようなときには検索の精度をあげるために、「apple fruit」のようにスペースのあとにキーワードを追加します。検索結果の精度をあげるのと同じ要領ですね。


piquiz6.png


各行の最初の単語だけが選択肢として表示されるので、「apple fruit」で検索していても選択肢として表示されるのは「apple」だけです。


あとは詳細やカテゴリ、タグ付けをご自由に。作成ボタンをボチッとクリックすればピクイズの出来上がりです。


piquiz8.png


楽しいクイズができたら、ブログにリンクを貼ったり、Twitter に発言したり、友達にメールを送ったりして一緒に遊んでもらいましょう。


piquiz101.png


最後にサイト名の由来を。。。といっても自明ですかね。


Picture(画像) の Pic と Quiz(クイズ) とを合わせて Piquiz です。企画面や文言・規約やレイアウトなどプログラマーが不得意とするすべての部分を担当していただいた共同開発者の佐藤さんの案で、とても気に入っています。


また、今回デザイン面でお手伝いいただいた Sasha さんには素敵なロゴを作っていただきました。


logo.png


途中中だるみしたところに、このロゴが決まり、俄然やる気を取り戻すことができました。やっぱり見た目大事です。


ほかにも id:Kanta さんには開発当初から使ってもらってバグ出ししてもらったり、妻にはユーザビリティテストで協力してもらったりと、今回はたくさんの人の協力を得てひとつのサービスを作ってみました。


ひとりで作る Web サービスもいいけれど、チームで作りあげるのも楽しいなと感じました。


» ピクイズ(Piquiz) - 作ってたのしい遊んでたのしい画像クイズサイト


よろしければどうぞ。


Kanji Fandom Facebook 版 on SiMPLE*SiMPLE

Kanji Fandom Facebook 版が SiMPLE*SiMPLE に載ってたのを発見!!


といってもキャプチャ画像の中の話ですが。。。


fb.png

↑ 真ん中あたりに Kanji Fandom のアイコンが!!


» FacebookがWindowsみたいになっていた | SiMPLE*SiMPLE


田口さん、ありがとうございます!!


外国人の名前を漢字に変換できる


» Kanji Fandom Facebook 版


の宣伝でした。通常の Web 版の


» Kanji-Fandom


もよろしければ、どうぞ。


「ハッカーの驚くほど多くは物書きとしても有能です」

Eric S. Raymond氏によるハッカーになろう (How To Become A Hacker)からの一節。



母語できちんと文が書けるようになること(わたしが知っている最高の連中を含め、ハッカーの驚くほど多くは物書きとしても有能です)。


「ハッカースタイル」の1つとして上記が挙げられている。


» 【急募】ウェブサービス開発のプログラマとデザイナー - p4lifeのメモ


を読んで、久々にこの「ハッカーは物書きとしても有能」の一節を思い出した。



ワイアードは,最先端の技術を盛り込んだ華やかなWeb2.0系サービスの開発を志向していません.

ユーザの視点に立ってサービスを設計し,その上で,利便性や使いやすさを実現するためにちょうど良いやり方を選択することが重要と考えています.


「ちょうど良いやり方」なんて、憎いこと書きます。


父親の面目丸つぶれ

衝撃!!もう引退かも。


Wii スポーツのボウリングを家族でやった結果です。


sany0016.jpg

↑長男圧勝、妻、次男、僕と続くの図


7歳の長男にはいつも負けてはいたのですが、4歳の次男にも負けてしまうとは。。。

しかも逆転負け。


(スコア結果を写真に撮ってブログに貼りつけて気づいたのですが、結果画面には名前が表示されないのです。これって、家族や友人の名前は公開したくないけどスコアだけは写真に撮ってブログとかに貼りつけたいというケースを考慮してのことなのでしょうか。だとしたら、よく考えられています。)


リアルな問題を解決する Getting Real なサービス - アルバイトシフト管理「シフター」

リアルな問題を解決するサービス


Web サービスには「バーチャルな問題を解決するサービス」と「リアルな問題を解決するサービス」の2種類があると思っています。


Web 2.0 的なサービスと言われるものの多くは前者であり、どちらかというと Web に詳しいごく一部の人たちがターゲットです。


それはそれで良いとは思うのですが、僕の価値観では、世の中の一般の多くの人が抱えている問題を解決する、後者の方にずっと大きな価値があると思っています。


そんな「リアルな問題」と言っていいアルバイトのシフト管理の煩雑さ、これを解決する「シフター」というサービスを、知り合い二人がやっている会社がリリースしました。


» シフター - アルバイトのシフト管理の悩みを解決! -


まだ開発途中の段階でデモをみせてもらったとき、コンセプトと製品(特にUI)ともにとても良いなあ、と感じたのを覚えています。


「機能を削りに削った」「自分のおかんでも使える」


シフト管理画面は以下のような感じ。シンプルでわかりやすく、シフトを入力したり時間をずらすといった操作は、Google Calendar のようにマウスでスイスイーッとできるのが気持ち良さそうでした。


top_img_03table.png


アルバイトのシフト管理、という解決すべき問題に一点集中、限定されているところ、それと使いやすさをとことん追求している姿勢が良いと感じます。


その姿勢は、


» おかんでも使える? ワイアードのアルバイト勤務管理サービス「シフター」 - ITmedia Biz.ID


の記事の下記引用部分からもうかがい知れます。



「これ1つで何でもできるような、多機能で高機能なサービスではない。むしろ機能を削りに削った」(ワイアードの石原明彦社長)。勤務時間(シフト)を組むことだけに特化したユーザーインタフェースで、「普段はPCを使わない人でも使える、自分のおかんでも使える。そんなサービスを目指した」という。


「機能を削りに削った」と「自分のおかんでも使える」は名言です。


Web サービス作りの教科書 Getting Real


僕が「シフター」をいけてるなあ、と思うのは、個人的に Web サービス作りの教科書だと思っている Getting Real(*) に書かれていることをかなり忠実に実行しているからなんだと思います。


» Getting Real(日本語版はこちら)


* シンプルで使いやすい便利サービスをいくつか提供していて、Ruby on Rails の開発元でもある 37signals がそのノウハウを惜しげもなく披露している PDF 本。いまは HTML 形式ならば無料で読めます。


「機能を削りに削った」なんかはそのまま、Build Less(少なく作る) に書かれていますし、機能を特化している点は、What's the Big Idea?(それは結局何をするものなの?) に忠実と言って良い。


プロモーションサイト


シフターのプロモーションサイトもかなりいけてるのですが、プロモーションサイトはこうあるべきということが書かれている A Powerful Promo Site(いけてるプロモサイト) の素晴らしい見本と言えます。


利用者の声つきの導入事例あり、スクリーンキャプチャあり、メディア掲載情報あり、と充実しているのですが、なかでも秀逸なのが、


» CiFTR(シフター)-経営者のメリット


のページです。


ここで、シフト管理がちゃんとされていないがために、時給1000円のアルバイトの人が1人6時間週2日余計に働いてしまった、というありそうなストーリーを語っています。


そうすると余計な人件費が一ヶ月で


6時間 x 2日 x 4週 x 1,000円 = 48,000円


かかってしまう計算です。


シフターの年間契約は 49,800円(2008/9/12現在) なので、一年間かかる費用だけで、ひと月のロスをチャラにできますよ、という提案をサイト上でおこなっているのです。


まさに Web サイトが営業マンに成り代わっています。しかも24時間365日休まず働く営業マンに。


最後に残念な点をちょこっと


ちょっと残念な点は、試用するためには、簡単ではあるが店舗名などを登録し、連絡を待つ必要があること。それで本当に導入を検討しようというユーザーだけをある程度フィルタリングできる、ということもあるのでしょうが、ちょっと UI だけでも試してみたい、というユーザーが気軽にアプリケーションに触れることができる仕組みもあってもいいのではないだろうか。(実際、このレビューも、製品に関してはデモをみせてもらったときの記憶をたよりに書いていて、今現在のバージョンを試しに触りながら書くことができていない)


Getting Real では、そのあたりのことが Free Samples(無料サンプル) に書かれています。


とはいえ、トータルで非常によくできているサービス。こういった「リアルな問題を解決するための Web サービス」はどんどんでてきて欲しいし、僕もそういうサービスを作りたいと思っています。


「シフター」にはそのいいロールモデルになってほしい。応援しています。


コーポレートサイトっぽいものを Ruby on Rails で構築してみた

フリーランスとして働き始め、もうすぐ2年になろうとしています。


企業が会社案内のホームページを持つように、僕もこのブログとは別にホームページを作るべきだったのですが、やろうやろうと思いつつ、あまり乗り気がせず、そのままにしていました。


この夏体調を少し崩していた間、自分はいったい何をやりたいのか、など見つめ直す時間がありました。良い機会なので、その間に考えたことなどを反映させ、Ruby on Rails でコーポレートサイトっぽいもの(個人事業主なのでコーポレートではありませんが。。)を作ってみました。


» Champierre(シャンピエール) - ミッション


デザインは超シンプルでショボショボですが、機能的には結構満足いくものができたので、ポイントを簡単にですが以下にまとめておきます。


1. Ruby on Rails で作る


静的ページばかりだから HTML ベタ書きでもいいんじゃないかという気がしますが、ヘッダーやフッターなどどのページにも同じく表示されなくてはいけないパーツがあったり、ひとつのページのなかでも繰り返し登場する部分があったりするので、動的にページを作成できるようにしました。それが可能ならば、言語やフレームワークはなんでもいい、自分が得意なものを選んで使えばいいと思います。


Ruby on Rails、あるいはほかの言語 + フレームワークを習得中であれば、今後自分が一番良く使い、見ることになるホームページをその道具を使って作ってみるのが良いと思います。


2. Active Scaffold で管理画面を作成


サイトを作ったはいいけれども、更新されずに放置されてしまうというのが結構ありがちなパターン。そうならないよう、手軽に更新できる仕組みを作りました。


Page というモデルを作り、1ページを1オブジェクトに対応させて作ったので、ページ追加も編集もDBのデータをいじるだけ。管理画面は僕しかさわらないので、ActiveScaffoldを使ってサクッと作りました。


active_scaffold.png


管理画面には僕だけがアクセスできるよう、Rails 2.0 から手軽に実装できるようになったBasic認証と、アクセス元のIPアドレスをチェックするようにして、アクセス制限を設けました。


3. お問い合わせフォーム


» Champierre(シャンピエール) - お問い合わせ


メールアドレスを表示するだけでもよかったのですが、せっかくなので ActionMailer を使ってお問い合わせフォームを実装。この手軽さは Rails ならではかもしれません。


4. キャッシュ


動的にページ作成といっても、僕が管理画面で変更したあとはずっと同じページを表示するだけ。表示するたびにページを作成するとその分反応が遅くなってしまうので、Rails のページキャッシュの仕組みを使ってほぼすべてのページをキャッシュしました。


5. Capistrano で簡単デプロイ


繰り返しになりますが、サイトはいかに更新がしやすいかが大事だと思っています。コンテンツは管理画面から簡単に更新できるようにしましたが、そのほかの部分でもちょっとした修正や機能追加をしたいな、と思ったとき、少しでも手間がかかるとそれがおっくうになってしまいます。


FTPサーバーから該当ページのHTMLファイルをダウンロードしてきて、ローカルで修正、FTPサーバーにアップロードして戻す、という作業は数分でできますが、その数分が結構面倒に思えてきてしまいます。


Capistranoを使うことで、ローカルの開発環境で修正、動作確認、その後コマンド一発で変更を本番環境に反映させることができます。この便利さを知ったあとでは、Subversionによるバージョン管理とCapistranoを使ったデプロイなしの開発には戻れません。


以上、同じような簡単なサイトをサッと作りたいときに参考にしていただければ。。。


404 Not Found をちゃんと返そうという話といろいろと試す場となる Web サービスを運用してみようという話

最近ブログで情報発信してなかったなあ、というわけで久々のエントリー。



「ソフト404」で返すのはやめようよ、という趣旨のGoogle公式ブログの記事。 → Official Google Webmaster Central Blog: Farewell to soft 404s(2008/8)


なんのことだかわからん。英語じゃなおさらわからん。 という方には筆者が何年か前に書いた 「ステータス200なのに「その商品はありません」」がほとんど同じ話なのでおすすめです。


» Web屋のネタ帳: さよなら「ソフト404エラー」


「ページがありません」「商品がありません」のようなエラーページでは、HTTPヘッダでも 200 でなく 404 Not Found をちゃんと返そうよ、という話なのですが、さらに一歩すすめて Google が提供するツールを利用し Enhanced 404 pages にしようというのが大変参考になりました。


さっそく「あとで行く」に実装してみました。


http://atodeiku.com/page/show/12345 のように ID の部分をめちゃくちゃな数字にした URL にアクセスしてみると以下のようなページが表示されます。


enhanced404.png


Google お得意の、「もしかしてこっちなんじゃなんじゃないの?」というわけで似ている URL をすすめてくれます。親切になりました。


Javascript のコードをペロッと貼付けるだけ、ものの数分で実装できてしまうのですが、こういう知識って頭に入れておくだけでなく、実際に手を動かしたほうが格段に身に付きやすいと思っています。


そういうわけで、こういうことをいろいろと試せる場となる自分のサービスを作って運用するのがおすすめ。


でも、自分で Web サービスを作るのってモチベーションを維持するのが大変。そこでコンテストに出すことを目標にして作るわけです。


ちょっと強引な展開かな?ま、いいや。


Mashup Award 4th、締め切りもうすぐです。僕も間に合うよう、がんばって作ります。




Mashup Award 4th


スター・ウォーズ/クローン・ウォーズ

試写会で観てきました。(大人の?)映画を観に行ったのは結構久しぶり。楽しめました。









スター・ウォーズ/クローン・ウォーズ (2008)


【監督】デイヴ・フィローニ




★★★☆ [70点]「ファンとしては見逃せない」


2Dアニメ版の「クローン大戦」を観たときは、「うわー、やめてくれー。シナリオそのままで、日本のアニメーターに描かせてくれー」と思いましたが、この3Dアニメ版は、はるかにまし、というかむしろよくできていると思いました。


なんであんなヘタ絵で描くんだろうという人物の顔はあいかわらずなのですが、登場する戦闘機、ドロイドやエイリアンはとても綺麗に描かれています。


そして、メカ、ドロイドが入り乱れる地上戦や空中戦の戦闘シーンにいたっては、実写とほとんど変わらないクオリティに感じられました。音響効果も迫力あります。まあ、実写といえどもほとんど CG で描かれている部分を今回は CG だけで表現すればいいのだから、当然と言えば当然なのかもしれませんが。。。


旧三部作で描かれている親子の闘い、新三部作では悪に堕ちてしまう善、といった人間ドラマめいたものはいっさいなく、ただひたすら戦闘シーン、メカの美しさを楽しむ作品という感じなので、ファンでない人にはどう映るか疑問ではあります。


終わったあと、エンドロールを眺めているとスタッフに名を連ねているのは中国名ばかり。制作会社として「ルーカスフィルム・シンガポール」という名前が登場して納得しました。シンガポールの人件費はそれほど安いとは思えませんが、ハリウッドのそれと比べればやはり安いのでしょう。C3PO のアンソニー・ダニエルズやサミュエル・L・ジャクソン、クリストファー・リーの名前は声の出演のところに見受けられましたが、ユアン・マクレガーっぽいなと思えたオビワンは違う人がやっていますし、声のそっくりさんをそろえればギャラだって節約できているはず。監督も脚本も別の人にまかせ、できあがった作品全体をジョージ・ルーカスがチェックすれば出来上がり、といういわば量産体制を作り上げるための実験的な作品にも思えました。


その実験の最初の作品としては、スターウォーズの世界観をちゃんと維持できてますし、クオリティもほとんど落とすことなく、成功しているんじゃないかなと思います。


もともとルーカスが、エピソードIIIであっさり殺されてしまった性格、人種が異なるさまざまなジェダイ達に活躍の場を与えるために、このアニメシリーズ(この後のシリーズは全米で30分のアニメシリーズとしてTV公開されるそうです)を用意したと聞いています。これからたくさんのエピソードが用意されているはずで、それらをクオリティを維持しつつ作り続けるためには、フルCGアニメ・アウトソースといったコストを抑える工夫が必要なのかなと勝手に思っています。その手法に賛否両論はあるでしょうけれど、ファンとしては、これからもスターウォーズシリーズが楽しめるのだから、それでいいんじゃないかと思います。



Posted by pierre on 2008/08/12 with 映画生活


プロフィール

株式会社まちクエスト代表、つくる社LLC代表。

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