電車男 (http://www.csua.berkeley.edu/~toshi/abacus/archives/000257.html より)
これを読んだら、2ちゃんねるやアニメオタクに対する見方が変わった。とにかくすごい。テキストだけでこれほど心を揺り動かすことができるものなのかと思った。ドラマや小説はしょせんはフィクションだけど、これは現実に起こったこと。それをリアルタイムで多くの人に伝えることができ、リアルタイムで感動を与えることができる2ちゃんねるって、実はすごいメディアなんだと遅ればせながら実感した。
以下読んだ人しかわからず、そしてたいしたことがない自分の経験談。
人助けした相手と仲良くなれるかもしれないという妄想って独身男なら誰しも一度くらい持つものではないだろうか。
社会人1年目のとき、会社の語学研修でイギリスに1ヶ月ほどホームステイしたときのこと。公衆電話に置き忘れられた手帳を現地の人が拾い中身が日本語のようだとわかったらしく、ちょうど通りかかった日本人の僕に託してきた。手帳の中身から持ち主を見つけることができるんじゃないかと思ったらしい。
さて、手帳を託された自分、他人の手帳の中身を覗くなんて、と罪悪感にかられたが、外国で大事な手帳をなくしてしまって、持ち主はきっと困っているだろうな、と思い開き始めた。持ち主の名前と住所を書いておくページを見てみるとそこは空白。そこで他のページを繰ってみたら、スケジュールや住所録などからどうやら持ち主は若い女性らしいということがわかってきた。この時点で、上記の妄想が出現。なんとしても持ち主を見つけてやる、という気になる。
住所録の最初の方に書かれていた持ち主の友達らしき女性に国際電話をかけ、手帳を拾った経緯を説明して「現在イギリスを旅行中のお友達っていませんか?」と聞いたら持ち主が判明。持ち主の実家に電話してみたら、ちょうど帰国中ということで本人とは連絡が着かなかったが、実家の住所を教えてもらい、その住所宛に手帳を郵送した。
後日、お礼の電話がかかってきて、その後、確か商品券かなにかをお礼にいただいた。でも別にそこから発展するなんていうことはなかった。僕は「電車男」ならぬ「手帳男」にはなれなかった。そのとき2ちゃんねるがあったら、あるいは「電車男」のエピソードを知っていたら、僕の人生は変わっていたのかな、などと既婚男の妄想にふけるのであった。